平成26年度第1回公共事業評価委員会審議録
1.開催日
平成26年10月14日(火曜日)
2.場所
宮﨑県庁6号館634号室
3.出席者
- 委員
- 委員長谷口義信
- 委員稲垣仁根
- 委員川瀬隆千
- 委員柴田志摩子
- 委員平奈緒美
- 委員谷口由美繪
- 委員鳥山純代
- 委員松浦里美
- 委員村上啓介
- 執行部局
- 農政水産部次長、農村整備課長、漁村振興課長、道路建設課長
- 事務局
4.審議事業
県土整備部所管事業における公共事業事前評価について
農政水産部所管事業における公共事業再評価について
(対象理由)
- 事業採択前の準備・計画段階にある公共事業で5年を経過するもの
- 事業採択後10年を経過する公共事業
- 事業採択後5年を経過する時点で着工できないことが明らかな公共事業
- 再評価実施後5年(下水道事業にあっては10年)を経過する公共事業
- 1.から4.項の規定にかかわらず、国の対象要件が示された国庫補助事業で、再評価を実施する必要があると認める公共事業
- 社会経済情勢の変化等により再評価を実施する必要があると認める公共事業
農政水産部所管事業における公共事業事後評価(試行)について
事業名
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担当課
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市町村名
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箇所名
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事後評価原案
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基盤整備事業
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漁村振興課
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串間市
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都井漁港
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事業目的を達成
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5.審議結果
県土整備部所管事業における公共事業事前評価について
県土整備部所管の次の3件の事業については、評価の内容及び方針は適当である。
- 道路事業宮崎学園木花台本郷北方線山下工区
- 道路事業一般国道327号永田工区
- 道路事業一般国道219号岩下工区
農政水産部所管事業における公共事業再評価の審議結果について
農政水産部所管の次の1件の事業については、評価の内容及び方針は適当である。
- 基盤整備事業東水流工区
農政水産部所管事業における公共事業事後評価(試行)の審議結果について
農政水産部所管の次の事業については、評価内容は適切であると認める。
- 基盤整備事業都井漁港
6.審議録
県土整備部所管事業における公共事業事前評価について
(1)道路事業宮崎学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎市)
- 委員
費用対効果の算出に用いる便益は、今回の事業区間で発現する便益を用いるのか。それとも路線全体で発現する便益を用いるのか。
- 県
今回の事業区間で発現する便益を用いる。
- 委員
この事業では走行時間短縮便益が費用対効果の面で大きな割合を占めるので、完成後の緊急搬送時間の短縮などを一番伝えなくてはいけないと思う。
- 県
緊急搬送時間の算出では、いろいろな搬送経路が考えられる。一つの例だが宮崎市の中心部から大学病院へ搬送する場合、16分程度の短縮となる。
- 委員
今回の事業区間は、小中学校の通学路になる予定なのか。
- 県
通学路になると考えている。
- 委員
現在は道路がないためバス路線ではないが、今後は期待できるという評価でよいか。
- 県
そのとおりである。
- 委員
この河川は結構鮎が遡上するので、みお筋に橋脚ができるだけ配置されないように配慮して欲しい。
- 県
実施段階になったら、関係機関とも協議をするので、十分注意しながら実施していきたい。
- 委員
この道路が早く開通して、大学病院へのアクセスがスムーズになってほしいと思う。
(2)道路事業一般国道327号線永田工区(日向市)
- 委員
費用対効果の算出で、走行経費減少便益はマイナスと説明があったが、便益がマイナスと言うことは負担が増えるという意味か。
- 県
走行経費減少便益とは、走行距離が短くなることによる燃料費の減少やタイヤ損耗の減少等の便益のことである。今回の永田工区はバイパスを整備することで、走行性が良くなり走行時間は短縮されるが、走行距離は長くなるため燃料費やタイヤ損耗等が増加するためである。
- 委員
この地域は3年間で28件の事故があったとあるが、結構多いと思う。事故を踏まえて、今回の道路を作るに当たってどういう点に気をつけているのか。
- 県
事故が多いのは、現在の国道327号は一日当たり1万台以上の交通量があるが、道路の線形が悪く急カーブになっている箇所が数カ所あるためではないかと思っている。今回、バイパス整備を行なうことで道路の線形が良くなるので、見通しの確保やスムーズな走行を実現でき、事故の減少に貢献できるのではないかと考えている。
- 委員
走行不安解消便益とはどのようなものか。
- 県
走行不安解消便益とは、狭く見通しが悪い道路で車の運転をする際に感じる不安を貨幣価値として算出したものである。不安を解消するには、自分で運転しなければよいので、公共交通機関(バス)を利用した際の運賃で算出している。
(3)道路事業一般国道219号線岩下工区(西都市)
- 委員
全体事業費と、費用対効果の算出で使用するコストの費用が違うのはなぜか。
- 県
費用対効果を算出する際のコストの費用は、将来に投資する金額を、現在の貨幣価値に補正しているからである。便益についても同じように現在価値に補正している。
- 委員
この事業区間は、ダム景観もすばらしく観光スポットにもなるので、ダムが見えるような場所を作ってもらうとうれしい。
- 県
どの場所ならきれいにダムが見えるのかという問題はあるが、事業区間の詳細な設計をする中で工夫できる可能性はある。旧道部分を利用するなど、今の計画の中で工夫したい。
- 委員
旧道を残すのか。
- 県
今後の関係者との協議によるが、場合によっては廃道にすることもある。
- 委員
ダムの横にトンネルを抜く計画だが、ダムには影響はないのか。
- 県
特に影響はないと考えている。
農政水産部における公共事業再評価について
(1)基盤整備事業東水流工区(都城市)
- 委員
食の安全といった観点から、県内産あるいは国内産のものが食べられるということは便益にならないのか。
- 県
安定した食料の供給などの安全・安心という観点も入るべきと思う。ただ、安全・安心などは金額に換算しづらいため、便益には含まれていない。
- 委員
基盤整備の状況は、佐賀県と比べると宮崎県はすごく低い。この原因は佐賀県は平野が広いが、宮崎県は山が多いことによるものか。
- 県
言われるとおりである。佐賀平野は、広大な平たんな農地があり水稲や麦を多く作っているので整備率は高くなっている。宮崎県は、中山間地も多く、また、水稲以外に施設園芸や畜産も盛んなため、整備率が低くなっている。
- 委員
基盤(圃場)整備には個人負担があるはずだが、個人負担金は総事業費に含まれているのか。
- 県
総事業費の41億3,500万円に含まれている。構成割合は、国の補助金が50%、県が30%、東水流地区では市町村が10%、残り10%が地元の個人負担になる。
- 委員
資料に関連事業とあるが、これについては評価委員会で評価しなくてよいのか。
- 県
関連事業は、まだ正確な計画は立っていない。改めて計画された時点で、審議の対象となる事業であれば、その際に審議いただくことになる。
- 委員
基盤(圃場)整備して経営規模を拡大すると大型機械を導入せざるを得ない。その機械費用の負担がものすごく大きく、経営を圧迫していると言う話をよく聞く。本当に圃場整備が農業経営に貢献しているのか。
- 県
生産コストを考えた場合には、地域の農業生産法人や集落営農組織で受委託をして、一人ずつトラクターを買うのではなく生産法人が買い、まとまって共同作業をすることで、負担は相当減ると思う。できるだけ生産コストを下げるという点では、集団化なり法人化なりを並行して進めていかなければいけないと考える。
【農政水産部における公共事業事後評価(試行)について】
(1)基盤整備事業都井漁港(串間市)
- 委員
漁港の整備をすることが漁獲高の増加につながるわけはなにか。
- 県
漁港の整備前は、台風が来る1週間位前に福島港に船を避難させていた。このため台風の影響が直接あるのは本来、2・3日位なのに、避難するための移動を含めると2週間程度要していた。整備後は、台風時でも福島港に避難する必要がなく、台風通過後はすぐ出港でき漁が行えるので、移動に無駄な日数を費やさなくて済み漁を行なう時間が増えるため、漁獲高も上がることになる。
- 委員
避難港としての役割は大きくなってきているような感じだが、防災拠点港というのは都井の漁業組合だけでなく、航行中の人たちも緊急時にはここに寄港できるということか。
- 県
基本的に緊急避難というのはどこの港でも可能である。ただし、防災拠点港というのは、津波とか地震対策ということでの防災拠点であって、この港だと周辺の道路が山崩れ等で通行止めとなった時に海から物資を運搬するという役割がある。
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