腸管出血性大腸菌感染症の集団発生について
都城市内の保育所の園児1名について、5月2日までに、腸管出血性大腸菌感染症(O26)の発生届がありました。
都城保健所が疫学調査、検便検査を実施したところ、5月7日時点で3名の感染者が確認され、計4名の集団発生となりました。
腸管出血性大腸菌感染症は、抵抗力の弱い子どもや高齢者が感染すると重症になることがあるため、手洗いなど日頃の予防対策の励行に努めましょう。
1発生の概要
医療機関からの届出
令和6年5月2日:2歳女児1名(症状:下痢、嘔吐)
疫学調査及び便検査の結果
- 本人及び患者家族、保育所に対する疫学調査を実施。
- 保育所における便検査の状況については、下表のとおり。(5月7日時点。医療機関で判明した5月2日の発生1名は含まない。)
対象者 |
結果 |
区分 |
人数 |
O26陽性(注1) |
O26陰性(注1) |
検査中 |
園児 |
28名 |
3名 |
17名 |
8名 |
職員 |
13名 |
0名 |
10名 |
3名 |
(注1)令和6年5月7日時点。
2二次感染防止の措置
- 本人、患者家族及び保育所に対する疫学調査、便検査を実施。
- 手洗い、消毒等の感染防止対策について指導。
- 便検査の結果、感染が確認された者や有症状者に対して医療機関受診を指導。
3腸管出血性大腸菌感染症について
感染経路・病原体
- 感染経路:経口感染
- 病原体:腸管出血性大腸菌
- 腸管出血性大腸菌に汚染された食品や感染者の糞便に含まれる腸管出血性大腸菌によって感染します。
症状
- 潜伏期間:2~9日
- 症状:腹痛や水様性の下痢、血便を引き起こします。
- 注意:抵抗力の弱い子どもや高齢者は溶血性尿毒症症候群(HUS)等の合併症を起こすことがあります。
治療・その他
- 特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。
- 早期に診断、治療を受けることで重症化や二次感染を防ぐことにつながります。有症時は医療機関を受診しましょう。
- 感染症の予防や患者の医療に関する法律により、病原体を保有しなくなるまで、飲食物を取扱う業務等への就業が制限されます。
- 学校保健安全法により、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認められるまで、出席停止となります。
予防
- 流水と石けんにより丁寧に手洗いを行い、清潔なタオルやペーパータオルで手を拭きましょう。
- 浴槽は洗浄して清潔を保ち、浴槽に入る前には肛門部を十分に洗いましょう。下痢症状がある場合は、入浴を控えるか、またはシャワー浴か最後に入浴しましょう。
- 汚染部分や人の手が触れる部分を消毒用アルコール等で丁寧に消毒しましょう。
- 生鮮食品は新鮮なものを購入し賞味期限を守る、十分に加熱して調理する、調理器具は家庭用漂白剤や熱湯により消毒するなど食品の取扱いに注意しましょう。
4参考
過去5年間の腸管出血性大腸菌感染症の発生状況(人)
年 |
R2 |
R3 |
R4 |
R5 |
R6(注2) |
全国 |
3,094 |
3,243 |
3,370 |
3,815 |
408 |
宮崎県 |
23 |
29 |
66 |
27 |
7 |
(注2)R6については、全国は第16週時点、宮崎県は5月2日時点
お問い合わせ
所属:薬務感染症対策課
担当者名:日髙、今村、川平、山下
電話:0985-44-2620
ファクス:0985-26-7336
メールアドレス:薬務感染症対策課