宮崎県ソーシャルメディア利用ガイドライン
1.趣旨
ソーシャルネットワーキングサービス(注1)やブログなどのソーシャルメディアは新たなメディアとして近年利用者が急増し、社会的に大きな影響力をもつようになっています。宮崎県においても、県政情報や宮崎の魅力の発信手段としてはもちろん、県民との情報共有手段としても重要な役割を果たしつつあり、県政の理解促進や県民総力戦による県政運営の推進を図る上でも重要な手段であると認識しています。
一方で、ソーシャルメディアの利用については、発信した情報が不正確であったり、法令や公序良俗に反したり、さらには、意図せず特定又は不特定の人たちの感情を害したりするケースがたびたび発生しており、利用方法によっては、発信者のみならず県政に対して想定しない悪影響を及ぼすことも考えられます。
したがって、ソーシャルメディアの利用に当たっては、その利用者がソーシャルメディアの特性やリスクなどを十分理解した上で、正しく利用する必要があります。
そこで、宮崎県職員(以下「職員」という。)が、職務上ソーシャルメディアを適切に利用し、その有用性を十分に活用できるよう、ソーシャルメディアを利用する際の基本的な考え方や留意事項等を明らかにする「宮崎県ソーシャルメディア利用ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)を定めるものです。
2.定義
ソーシャルメディアとは、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルネットワーキングサービス、ブログ、動画配信など、インターネット上で提供されるサービスを利用して、ユーザーが情報を発信、あるいは相互に情報のやりとりを行うことができる情報伝達媒体をいいます。
3.基本原則
- 職員としての自覚と責任
職員として自覚と責任を持った情報発信を行う必要があります。自分の発信が自分自身だけでなく、宮崎県の評価となり得ることを十分認識する必要があります。
- 法令等の遵守
地方公務員法その他の関係法令並びに職員の服務及び情報の取扱いに関する規定等を遵守しなければいけません。
- 個人情報やプライバシーへの配慮
他の利用者の権利を侵害することがないよう十分留意し、基本的人権、肖像権、プライバシー権、著作権、個人情報保護など関連法令等を遵守しなければなりません。
また、第三者のコンテンツを使用し、また発言内容・記事等を引用する必要がある場合は、投稿の中で、コンテンツ権利所有者やその出所および引用部分を明示しなければいけません。
- 情報の正確性と信頼性の確保
発信する情報は正確を期すとともに、その内容について誤解を招かぬよう信頼性の確保に十分留意しなければいけません。一度インターネット上に公開された情報は、記録として恒久的に残る可能性があることを理解しておく必要があり、また、グローバルに広がる、影響を与える可能性があることを認識しておかなければなりません。
第三者の投稿の引用や、第三者が管理又は運用するページへのリンクを掲載することは、当該投稿やページの内容を信頼性のあるものとして認めるものと受け取られることも考慮した上で、慎重に対応する必要があります。
- 誠実で責任ある対応
自らが発信した情報により、意図せず他者を傷つけたり、誤解を与えたりした場合には、誠実に対応するよう努めなければいけません。
また、自らが発信した情報に関し攻撃的な反応があった場合には、冷静に対応し無用な議論となることは避けなければなりません。
- 公式アカウントの使用
ソーシャルメディアの利用にあたっては、原則として、公式アカウント(注2)を用いることとし、アカウントを保有する所属等の判断と責任により情報発信等を行います。
- 運用ポリシーに基づく運用
ソーシャルメディアを利用した情報発信等については、所属等は、運用するソーシャルメディアのアカウント毎に、あらかじめ以下の点を明確にした運用ポリシーを作成し、庁内外に公表するとともに、当ポリシーに基づき運用することとします。
- 情報発信等を行う目的
- 利用するソーシャルメディアの種類
- 管理者(担当所属)
- 情報発信等の内容
- 意見・提案や質問への対応方針
- その他適切な運用を行う上で必要と認められる事項
- 所属長の承認
発信する情報については、原則として所属等の長の承認を必要とすることとします。
ただし、次に掲げる場合は、ソーシャルメディアの特性や発信の即時性を考慮し、その範囲内で、職員の判断により発信を行うことができることとします。
- 既に一般に周知されている事項について再度正しい情報として発信する場合
- イベント・競技会等の現況や結果など、既成の事実について発信する場合
- 法令等で定められている内容を発信する場合
- 緊急性があると認められる場合(この場合、所属等の長に対して、情報発信を行なった旨を事後報告し、了承を受ける必要があります。)
- その他あらかじめ所属等の長が必要と認めた事項について発信する場合
4.情報発信禁止事項
ソーシャルメディアによる情報発信等に関し禁止する情報は次に掲げるとおりとします。
- 他者を侮蔑する言い方、発言を含む情報
- 人種、思想、信条等について差別する発言、又は差別を助長させる発言を含む情報
- 違法若しくは不当な情報又はそれらの行為をあおるような発言を含む情報
- 信憑性が確保できない情報(噂や流説、又はその助長をするもの)
- 閲覧者に損害を与えようとするサイト及びわいせつな内容を含むサイトに関する情報
- 守秘義務に関する情報
- 宮崎県個人情報保護条例において情報提供が禁止されている個人情報
- 宮崎県及び他者の権利を侵害する情報
- 特定の商品・サービス等の営業活動(職務上必要と認められる商品・サービス等の紹介を除く。)
- 政治的活動、宗教的活動、その他営利を目的として発信する情報
- 故意にネットワーク上の善意の情報交換を妨げようとする情報
- 宮崎県のセキュリティを脅かすおそれのある情報
- 宮崎県の施策の意思形成過程における情報(宮崎県が積極的に意見等を求める場合を除く。)
- 職員の個人的な状況や意見等の情報(職務上必要な場合を除く)
- その他公序良俗に反するなど情報発信することが適当でないと認められる情報
5.留意事項
- 意見等への対応
発信した情報に対する意見・提案や質問に対して、必ずしも返信する必要はありませんが、アカウントの持つ性格を踏まえ、宮崎県及び県政に関心を持つ人を増やす、また地域・経済活性化に資するという視点、さらには災害発生時などの緊急の安全・安心への対応を図る視点等から、必要に応じて返信するなどの対応を検討する必要もあります。
- わかりやすい表現の使用
発信する情報を身近に感じてもらい、しっかりと理解していただくため、専門用語を多用せず、利用者の立場に立って平易な言葉で分かりやすい表現での発信を心がけます。
- 他の広報媒体との関係
記者発表や各種広報媒体(紙媒体・県ホームページ等)で発信している情報との整合性(配布時期、公表時間等)、バランス(情報量、配信頻度等)を考慮し、ソーシャルメディアによる情報発信等との効果的な組み合わせを十分検討する必要があります。
- 担当業務以外の情報発信
自らは直接職務上関わらない事項であっても、本県行政に関する情報を発信する場合にあっては、読み手は発信者を関係者として理解すると考えられるので、その情報が不正確な場合には県政に重大な影響を与えるおそれがあることについて十分留意する必要があります。
6.トラブルへの対応
- 成りすまし等の防止対策
成りすまし(注3)等の防止対策として、県ホームページにおいて、各所属等が利用するソーシャルメディアのサービス名及びそのサービスにおけるアカウント名もしくは当該アカウントページのURL(注4)を明記するページを設ける必要があります。
加えて、利用しているソーシャルメディアのアカウント設定の自由記述欄などに、公式アカウントを紹介している県ホームページのURLを記載する必要があります。
本来のURLをわからなくするURL短縮サービスは、なるべく使用しないこととします。
- 成りすまし発生時の対応
成りすましが発生していることを発見した場合は、県ホームページ等において情報を発信したり、必要に応じて報道機関に資料提供を行うなど、成りすましアカウントが存在することへの注意喚起を行うこととします。
- 炎上時の対応
炎上(注5)状態になった場合は、反論や抗弁は控え、客観的に相手方の発言意図を考え丁寧な説明をするなど冷静に対応する必要があります。発信した情報に問題となった部分があれば、修正し、謝罪しなければなりません。
対応に時間を要する場合は、無視しているなどの不要な誤解を招かないように説明する必要があります。
7.その他
関係法令及びガイドライン、運用ポリシー等に照らし、重大な利用違反や不正利用等が判明した場合、所属等の長は当該運用アカウントを閉鎖する等の措置をとることがあります。
このガイドラインに定めるもののほか、必要な事項については、秘書広報課広報戦略室長が別に定めることとします。
8.相談窓口
秘書広報課広報戦略室メディア戦略担当
用語の説明
(注意1)ソーシャルネットワーキングサービス
参加者同士のつながりを促進・サポートするコミュニティ型のウェブサイトのことをいいます。
(注意2)アカウント
アカウントとは利用するサービスにログインするための、利用者権限のことをいいます。
なお、ここでは各所属長等の承認を得て取得したアカウントのことを公式アカウントと定義します。
(注意3)成りすまし
他の利用者のふりをして、インターネット上のサービスを利用することをいいます。
(注意4)URL
(注意5)炎上
自分の投稿に対し批判や苦情が殺到し、収拾がつかなくなる状態をいいます。