掲載開始日:2023年9月8日更新日:2023年9月8日
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「HIV感染=エイズ」ではありません! |
HIVとは、ヒト免疫不全ウイルスのことで、免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染し、体を病気から守っている免疫力を低下させていきます。
宮崎では、新規報告者のうちおよそ4割(2010~2022年の累計)が、エイズを発症してから見つかっています(全国では、およそ3割)。
自分がHIVに感染していることを知らない人が多く存在すると推定されます。
エイズとは、HIV感染によって起こる病気全体のことです。
HIVに感染し免疫力が低下すると、本来なら自分の力で抑えることのできる病気を発症するようになってしまいます。抵抗力が落ちることで発症する疾患のうち、代表的な23の疾患を発症するとエイズ発症と診断されます。
2022年の全国の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は884件で、過去20年間で最も少ない状況ですが、新型コロナウイルス感染症に伴う検査機会の減少等の影響で、検査件数が減少しているため、感染者が十分に把握できていない可能性があります。
宮崎県の2022年の新規HIV感染者・エイズ患者報告数は4件で、毎年報告が続いています。
性的接触(特に男性同性間)による感染経路が多くを占めています。
2022年新規報告者における感染経路
性行為による感染は最も多い感染経路です。HIVは主に血液、精液及び膣分泌液に多く含まれています。HIVは感染者の血液・精液・膣分泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通ってうつります。性行為におけるコンドームの正しい使用は、HIV感染症・エイズ予防にとって有効な手段です。
HIVが存在する血液の輸血や注射器具の共用などによって感染します。
日本では、現在、献血された血液は厳重な検査により最高水準の安全が確保されており、感染の可能性は極めて低くなっています。
母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。また、母乳による感染の例もあります。
日本では母親がHIV感染症の治療薬を飲むことや母乳を与えないことで、赤ちゃんへの感染を1パーセント以下に抑えることができています。
HIV感染の最も多い感染経路は性行為です。
HIVを防ぐためには、必ず最初から最後までコンドームを使用すること、また、パートナーに使用してもらうことが重要です。
コンドームの使用はHIVだけではなく、他の感染症の予防にもつながります。
HIVに感染しても、すぐにエイズを発症するわけではなく、自覚症状のないまま数年が経過することがあります。無症状の潜伏期間は人によって異なりますが、体内にはHIVがいるため、無防備な性行為により相手に感染させる可能性があります。
一方、早期に治療をはじめ、きちんと薬を服用することでエイズの発症を遅らせ、感染していない人と同じような生活を送ることもできます。
パートナーの感染を予防するだけではなく、自分の命を守るためにも早期に検査を行い、早期治療につなげることが重要です。
HIV検査は全国のほとんどの保健所で無料・匿名で受けられます。自分の住んでいる地域以外の保健所でも受けられます。
他の性感染症の検査も受けることができる場合もあります。保健所によって検査項目・日時は異なります。事前に電話で予約をしてから受けるようにしてください。
検査日・受付時間・申込先の詳細は、無料・匿名で受けられるB型・C型肝炎、エイズ、性感染症、HTLV-1の相談及び検査についてをご参照ください。
HIV感染に特徴的な症状はありません。HIVに感染したかどうかを調べるためにはHIV検査を受けるしかありません。
HIV検査は、エイズの原因ウイルスであるHIVに感染しているかどうかを採血で調べる検査です。
感染機会から3か月経過するとより確実な結果を得られます
HIV感染初期には、検査では確認できない時期があります。感染の有無をはっきり確認したい時は、感染した可能性がある機会から3か月以上経ってから検査を受けてください。3か月以内に検査を受けた場合は、感染の可能性のあった機会から3か月後に再度検査を受けてください。検査で感染の有無が確認できない感染初期も、他の人への感染のリスクはありますので、注意が必要です。
HIV感染症の治療は、作用の異なる3剤以上の抗HIV薬を併用して服薬します。今のところ、体の中のHIVを完全に取り除く治療法はありません。
しかし、抗HIV療法の進歩によって、エイズを発症する前にHIV感染を知り、適切な治療を受ければ、感染前と変わらない日常生活を送ることができるようになりました。最近では1日1回1錠の服用で済む薬も開発されています。
今やHIV感染症は「不治の特別な病」ではなくコントロール可能な病気です!
早期にHIV感染症治療を始めることにより、他の人への感染を低くすることもできます。
また、治療の際には社会保障制度があり、経済的負担が軽減されます。
福祉保健部薬務感染症対策課感染症対策担当
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ファクス:0985-26-7336