新型コロナウイルス感染症の経口治療薬(ゾコーバ)について
ゾコーバ(一般名:エンシトレルビルフマル酸)について
- ゾコーバについては一般流通しているため、どの薬局でも処方箋応需は可能ですが、在庫状況によっては薬剤の提供に時間を要する場合があります。
以下に、在庫状況などから、処方箋に基づき速やかに患者に提供できる薬局リストを公表します。
薬局リスト(ゾコーバ)(5月12日時点)(PDF:375KB)
※1 公表時点でのリストになりますので、在庫状況が変わる場合があります。必要に応じて、各薬局にお問い合わせください。
※2 対応は薬局の各開局時間に限ります。
ゾコーバは、令和4年11月22日に新型コロナウイルス感染症の治療薬として緊急承認されました。承認後は安定的な供給が難しいことから、厚生労働省が所有した上で、配分が行われてきました。
今般、安定的な供給が可能となったことから、令和5年3月8日の中央社会保険医療協議会総会の承認を得て、ゾコーバが薬価収載されることとなりました。
一般流通は、令和5年3月31日から開始されます。
- ゾコーバは、妊娠又は妊娠している可能性のある女性についても、同様に使用できません。
先般、塩野義製薬株式会社から厚生労働省に対して、「投与後に妊娠していることが判明した症例」の報告がなされました。これを受けて、厚生労働省から令和5年1月20日付けで事務連絡が発出されています。
- また、令和5年2月24日付けで事務連絡が発出され、「引き続き製造販売業者が周知している「妊娠している女性、妊娠している可能性のある女性、又は妊娠する可能性のある女性への投与に関するお願い」の別紙(ゾコーバ錠125mgを服用する際の事前チェックリスト」)を処方前に必ず確認するよう求められています。
ゾコーバの処方を行う医療機関におかれては、患者が「妊娠していない」又は「妊娠している可能性がない」ことを入念に御確認ください。
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5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
過敏症 |
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発疹 |
そう痒 |
消化器 |
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悪心、嘔吐、下痢、
腹部不快感 |
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精神神経系 |
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頭痛 |
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代謝 |
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脂質異常症 |
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その他 |
HDLコレステロール低下(16.6%) |
トリグリセリド上昇、ビリルビン上昇、
血中コレステロール低下 |
血清鉄上昇 |
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(「抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング」より抜粋)
- 一般に、重症化リスク因子のない軽症例の多くは自然に改善することを念頭に、対症療法で経過を見ることができることから、エンシトレルビル等、重症化リスク因子のない軽症~中等症の患者に投与可能な症状を軽減する効果のある抗ウイルス薬については、症状を考慮した上で投与を判断すべきである。
(抗ウイルス薬<エンシトレルビルフマル酸(商品名:ゾコーバ錠)>より抜粋)
- 本剤は、COVID-19の5つの症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさまたは発熱、倦怠感(疲労感))への効果が検討された臨床試験における成績等を踏まえ、高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討すること。また、本剤の処方の対象者に関しては、今後の臨床試験等の結果も踏まえた検討が必要となる。
- 重症度の高いCOVID-19患者に対する有効性は確立していない。なお、重症度が高いとは、概ね中等症2以上が該当すると考えられる。
- 「3.抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング」の項(p.2)にも記載している通り、一般に、重症化リスク因子のない軽症例では薬物治療は慎重に判断すべきということに留意して使用すること。本剤においては、重症化リスク因子のある軽症例に対して、重症化抑制効果を裏付けるデータは得られていない。
- 本剤の有効性は症状発現から3日目までに投与開始された患者において推定されており、SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから遅くとも72時間以内に初回投与すること。
- ゾコーバの処方は、PCR、抗原検査などによりCOVID-19の確定診断がなされている必要があります。