掲載開始日:2022年6月22日更新日:2024年10月4日
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ハンセン病は、「らい菌」に感染することで起こる病気です。
かつては「らい病」と呼ばれていましたが、明治6年に「らい菌」を発見したノルウェーのハンセン医師の名前をとって、現在では「ハンセン病」と呼ばれています。
ハンセン病は、感染し発病すると、手足などの末梢神経の麻ひや、皮膚に様々な病的な変化が起こることがあります。そして、治療法がない時代は、体の一部が変形するといった後遺症が残ることがありました。
「らい菌」は感染力が弱く、現在の日本の衛生状態や医療状況、生活環境の下では、「らい菌」に感染しても、ハンセン病になることはほとんどありません。
昭和18年には、アメリカで「プロミン」という薬がハンセン病の治療に効果的であることが報告され、昭和24年からは日本でも広く使用されるようになりました。その後、薬の改良が進み、現在はWHO(世界保健機関)が推奨する3種類の飲み薬を組み合わせて服用する治療が行われています。
ハンセン病は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、顔や手足に後遺症を残すことがなく治すことができる病気です。
19世紀後半、ハンセン病は、コレラやペストと同じような恐ろしい伝染病であると考えられていました。また、病気が進行すると、顔の一部が変形する後遺症が残ることから、差別の対象にされていました。
そして、昭和6年には「らい予防法」が成立し、すべてのハンセン病患者を強制的に療養所に収容し、隔離を目指す目的で、各地に新しい国立療養所が建設されていきました。さらに、各県では、「無らい県運動」という名のもとに、患者を見つけ出し療養所に送り込む施策が行われました。保健所の職員が患者の自宅を徹底的に消毒し、人里離れた場所に作られた療養所に送られていく、という光景は、「ハンセン病は恐ろしい病気」というイメージを助長させることとなりました。
平成8年、「らい予防法」が廃止され、隔離政策は終了しましたが、ハンセン病に対する誤った認識が定着した結果、元患者の皆さんとご家族は、病気が完治した今でも、根強く残る偏見や差別に苦しんでいます。
現在、日本には国立・私立をあわせて14箇所のハンセン病療養所があり、令和6年5月1日現在、約700名の方が入所されています。そのうち、宮崎県出身の入所者は26名(令和6年8月1日現在)です。
ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給に関する法律施行の日である6月22日は、「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」です。元患者の皆さんとご家族が安心して暮らせる社会を実現するため、ハンセン病を正しく理解しましょう。
ハンセン病を正しく理解するためのパンフレット「ハンセン病の向こう側」(厚生労働省)
県では、県民の皆様にハンセン病について正しく理解していただくための取り組みを行なっています。
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福祉保健部健康増進課がん・疾病対策担当
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