平成23年度第8回知事とのふれあいフォーラム
第8回知事とのふれあいフォーラム(こんにちは!河野です)
内容
開催日時等
-
開催日
- 平成23年12月14日(水曜)午後1時30分から午後3時まで
-
場所
- 西米良村基幹集落センター
-
参加者
- 西米良村の皆さん約40名
- 知事
ふれあいフォーラムの内容
知事あいさつ
「対話と協働」を基本に、県民の皆様と力を合わせて宮崎県政を進めていきたいと考え、このような意見交換会をおこなっている。
昨年の口蹄疫、今年の鳥インフルエンザ、新燃岳噴火など厳しい状況が続いたが、なんとか元気を出していきたい。畜産の再生はもちろんだが、経済活性化、東日本大震災を教訓とした災害対策や防災力強化をしていきたい。それ以外にも教育や福祉など県政には様々な課題が山積している。厳しい財政状況の中で、いかに皆さんと力を合わせて、この難局を乗り切ることができるかが大きな課題だと思っている。
西米良村は、おがわ作小屋村、ワーキングホリデーの取組みなど、地域の絆を生かした地域づくりの先進地だと思う。今日は時間が限られているが、皆さんと充実した時間を過ごしたい。
ページの先頭へ戻る
フォーラムの様子
知事が西米良村の皆さんと県政や地域の課題等について意見交換を行いました。
ページの先頭へ戻る
主な意見等
- 参加者
- TPPについては、これから本格的な協議に入ると思う。新聞等で、小規模農家や兼業農家をまず解体しなければならないと大変なことを言っている方もいる。このTPPの最新の情報や宮崎県のスタンス、私たちが対処しないといけないことなどの話を聞きたい。
- 知事
- TPPは本県にとって大きな問題である。県としてのスタンスは、農林水産業は本県の基幹産業であり、日本が万が一、TPPに加入するにしても、食糧政策や農業政策をどうするか、しっかりとした考えがないままのTPPへの参加表明は反対だということ。今大事なのは、TPP関連の情報をしっかりと国の方から示してもらい、それを踏まえて、農業だけでなく、医療、金融など国民生活のいろいろな問題に、しっかりとした国民的な議論をすべきであると思っている。県としても今後とも関心を持って国と議論をしていきたい。
- 参加者
- 現政権はコンクリートから人へと、公共事業を敵みたいな感じでとらえている。県にお金がなく、なかなか苦しいと思うが、公共事業を切ってしまうことは良くないと思う。知事の考えを聞きたい。
県の総合博物館の民家園に「米良の民家」が移築され数年経っている。改修には相当の費用がかかると思うが、補修だけでもできないか。 - 知事
- 本県のようにインフラ整備が遅れているところでは、高速道路を含めて命の道をもっと整備しなければいけない。東日本大震災で道路が防潮堤の役割をして、コンクリートこそ人を守るということも分かった。地域のインフラ整備は、地域の産業を育て、雇用の場の確保につながる。
米良の民家については、どのように傷んでいるのかよく分からないので、総合博物館に話を伝えたい。 - 参加者
- 県道小川-越野尾線の改良工事や森林基幹道小川-石打谷線のトンネル工事、また、種雄牛の分場も村内に建設していただくことに感謝している。完成すれば、小川地区のみならず西米良村に多くの方が来ると思うので、早期完成を願っている。
- 知事
- しっかり頑張って早期整備に努めてまいりたい。
種雄牛の分場の整備については、宮崎の畜産の宝を西米良村でしっかり守っていただける思いであり、西米良村の皆さんや黒木村長さんには御理解と御協力をいただき、本当にありがたく思っている。 - 参加者
- 現在、政府が打ち出している「森林林業再生プラン」で、10年後の木材自給率50%以上と書かれている。当村では、林業後継者が少なく、高齢化が進んでおり、担い手不足が懸念される。知事はこの「森林林業再生プラン」について、どう考えるか。また、担い手対策について県の考えを聞きたい。
- 知事
- 県産木材をしっかりPRしながら、販路拡大や利用促進を図っていくことが第一だと思っている。材価が回復傾向になり林業が活性化していけば、担い手も確保できると思う。韓国では木材住宅が見直されている流れもある。東日本大震災の復興需要で、木材の需要の喚起への期待もある。そのような状況の中でしっかり取り組みを進めてまいりたい。
- 参加者
- 西米良村は人口が少なく一人で多種多様の協議会等に参加しているが、マイナス思考ではなくプラス思考で勉強している。市町村合併も落ち着いた。今の宮崎、そして、これからの宮崎の話を知事に聞きたい。
- 知事
- プラス思考という言葉が印象に残った。自分たちの置かれた状況をしっかり認識し、プラス思考で取り組んでいくことは大変重要なことである。児湯郡は昨年の口蹄疫で大変な思いをしたが、それを生かして、日本一安全安心な畜産地帯を作り直していく動きが進んでいくと思う。これからの宮崎や地域づくりに必要なものは、まさに前向きな姿勢、プラス思考だと思っている。
- 参加者
- 都道府県を廃止して道州制を導入するという話がある。宮崎県は政府の方針に追随するべきか、有識者の意見を参考にして進むべきか非常に選択が難しいと思うが、知事の考えを聞きたい。
- 知事
- 都道府県制と道州制を比べて、どちらが制度として優秀かという議論ではないと思う。現在の都道府県制から道州制への前向きな議論をすることに意味があると思っている。分権、分権と言われているが、国から財源や権限の移譲もなかなか進まない。国の出先機関が地方に移管されたとしても、国がそのとおりに、権限、財源をくれる保証はない。それでも、あえてそういう議論を仕掛けることで国を揺さぶっていく、分権のためのいろんな議論を進めていくことが大事だと思っている。
- 参加者
- 村の各イベントの時に「中山間盛り上げ隊」の方々がたくさん応援に来ていただいている。12月の各地区での夜神楽奉納でも手伝いに来ていただいた。大変感謝している。それから、11月22日の県婦人体育大会に知事夫人に参加していただいたが、最後の万歳三唱がとても可愛いかったと参加者の間で評判になっていた。
- 知事
- 中山間盛り上げ隊は、中山間地域対策として、人と人との交流を増やしていくべきだという考えの中で仕組んだものであり、喜んでいただいて大変ありがたい。もっともっと輪を広げていきたいと思っている。
それから、家内もいろんなところに引っ張り出していただき、皆さんと仲良くさせていただきありがたく思っている。今後もざっくばらんにつきあわせていただきたい。 - 参加者
- 西米良村でも、母親が仕事から帰るのが遅くて、夕ご飯を食べるのが午後7時過ぎになっている。子どもはそれまでお菓子を食べている。学校の先生が食育をどこまで指導できるか分からないが、今の子どもたちの置かれている環境や生活状態が心配でならない。
- 知事
- 食育は重要なテーマで、学校でも力を入れて取り組んでいる。県の教育長は「弁当の日」を推進しており、弁当づくりを通じて食育や親子の絆、感謝の思いが培われていると思う。今後もしっかり取り組んでいきたい。
- 参加者
- 知事は将来国政に出る気はあるのか。
最近の若い警察官は高齢者の方とあまり話ができない人が多いので、警察学校を出たばかりの若い警察官を、西米良村などに半年程度、実習みたいに赴任させられないか。
僻地の学校の児童確保のため、県職員の人事異動の際には、単身赴任ではなく子どもを連れて3年間くらい地方に行くように知事から言ってもらえないか。 - 知事
- 私が興味があるのは地方自治であり、そのために知事になった。今後とも地方自治を貫いていきたい。
警察の人事や研修のあり方については、よく把握していないので、いただいた御意見は警察に伝えたい。
県職員の異動については、赴任先に家族と一緒にいって地域に溶け込むことは子どもにとってもいい経験だと思う。県職員に一概に強制はできないが、そういうメッセージは伝えていきたい。 - 参加者
- 村の青年会の会員は、掛け持ちで青年活動や消防、地元伝統芸能の継承活動などをしており、今後人口減少により活動が出来なくなることが考えられる。知事は中山間地域の衰退をどのように考えているのか、また、対策をどのように考えているのか聞きたい。
- 知事
- 人口減少は地域の活力や産業、文化の伝承等に直結する問題なので、大変深刻であると思う。それぞれの集落において、いかに人口を確保していくかであるが、定住人口を一気に確保していくのはなかなか難しいので、交流人口を増やすことが大事だと思う。交流人口を増やすための、いろんな工夫や仕掛け、また、人的なネットワークをどんどん増やしていくことが突破口になると思う。
- 参加者
- 村ではいろんな団体が協力して、地域づくりを一生懸命頑張っている。各観光施設とか各公民館単位のイベントを「カリコボーズの四季祭」とし、1年間を4つのシーズン分けて展開している。私たちも一生懸命PRに回るが、西米良村だけでは限界がある。西米良村は、熊本市内、鹿児島市内まで高速道路を使えば2時間圏内である。宮崎県の中央部を走る国道219号を使って観光客を宮崎県に呼び込む玄関口になりたいと考えているので、そのお手伝いをしていただけると非常にありがたい。
- 知事
- 先ほど交流人口を増やそうという話をしたが、隣の西都市にある西都原古墳群に年間約90万人が集まる。そこからいかに西米良村に足を伸ばしてもらうかの工夫がいるのだと思う。
来年、古事記編さん1300年で、これは本県にとって大きなチャンスである。県も市町村も関係団体も一緒になって、古事記の由来のいろんな地名や伝承地、神楽などをアピールしていきたいので、そこにうまく乗っていただきたいと思う。 - 参加者
- 村の各イベントに村外の方が多く来るが、年配の方が中心である。交流人口を増やすことによって、定住する人を呼び込むための仕掛けになるとは思うが、若い人が来ないと定住にはつながらないと思う。
高校生が月に1回くらい、年に10回くらい中山間地域に来て、農家の方達とふれあったり、伝統芸能を学んだりすれば、地域の良さも分かり、将来の定住につながるという流れになると思うので、そういうカリキュラムを検討していただけないか。 - 知事
- 学校のカリキュラムの中で、高校生や小中学生が地域でいろんなことを体験するといった取り組みは今もやっていると思うが、それをもっと広げていくというアイデアは良いと思う。担当の方に話をつなぎたい。
今、経済活性化対策「みやざき元気プロジェクト」の中で「100万泊県民運動」というのを呼びかけている。県民一人一人が県内に年間1泊し、地域に実際に足を運ぶことによってお金も落ちるし、何か気付きが生じる。場合によっては、定住につながるかもしれない。 - 参加者
- 作小屋村のある小川集落は「いきいき集落」の第1号の認定を受けた。当時は「限界集落」といって、ものすごく嫌な気持ちだった覚えがあるが、「いきいき集落」という良い名称をつけていただき、みんなで一生懸命取り組んだ結果、本当に生き生きとした集落になった。
「四季御膳」も毎月みんなで話し合いながら作っている。大変な仕事だが、本当に嬉しく思っている。
知事が「西米良村にいってください。」「作小屋村にいってください。」とPRしてくれると私たちはもっと元気がもらえると思う。 - 知事
- お話を伺って私も元気が出た。そのように言っていただけると本当にありがたいし、そのように受け止めていただけることが、さすが西米良村の皆さんだと思う。まさに成功事例だと思う。いきいき集落は、もうすぐ100件目が認定される予定である。
お昼に食べた「四季御膳」は写真に撮って、先ほどツイッターでつぶやいたところ。ツイッターは私のフェイスブックとも連動しているので、合わせて1万人ぐらいには情報発信できたと思う。 - 参加者
- 川の駅「百菜屋」の運営が7年目に入った。西米良村は「生涯現役元気村」と言って、みんな百歳まで頑張る意気込みで元気良くやっている。百菜屋は、自分たちで作ったものを売って、食べてもらってという取組みをしており、特産物を活かした「椎茸南蛮」が今ものすごく人気がある。今度来た時にはぜひ知事にも食べてもらいたい。
- 知事
- 非常にすばらしい取り組みだと思う。今度ぜひ食べさせていただきたい。
- 参加者
- 西米良村の商工業者は、小規模で高齢化も進み、5~10年先は大変厳しい状況だと思う。平成21年度から「ふるさと雇用再生特別基金」を活用した事業をおこなってきたが、この事業は今年度で終わる。この山村においては、雇用はたいへん厳しい状況なので、何とかこの事業を継続していただきたい。
- 知事
- ふるさと雇用再生特別基金は、大変厳しい経済状況の中で、有効活用され重宝されてきた。県の11月補正予算でも、雇用関係の基金の国の予算を受けて一定の積み増しをおこなったりしたが、まだまだ厳しい状況なので、今後とも考えていきたいと思う。
他にも子育てや医療関係など平成23年度いっぱいの基金があるが、引き続き必要なものについては、これからも国に要望しながら、なんとか確保していきたいと思う。