更新日:2017年4月1日
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肉用牛の生産は、母牛に優秀な種雄牛(父牛)の凍結精液を人工授精し、妊娠させ、子牛を産ませるところから始まります。
この優秀な種雄牛は、本県の先人達が長い年月をかけて取り組まれてきた肉用牛改良により造成されてきたものですが、口蹄疫の発生により本県に55頭いた種雄牛は、5頭を残し殺処分されてしまいました。
口蹄疫で失われた種雄牛と復興を託された種雄牛
(口蹄疫メモリアルセンター)
本県肉用牛の復興・新生において、種雄牛の早期造成は、最重要かつ緊急の課題でありました。
そこで、種雄牛を選抜する検定方法を通常の現場後代検定法から9か月短縮できる間接検定法に変更して、2年間で22頭実施しました。
その結果、県内の肉用牛生産農家や関係団体の協力により、新たな種雄牛が誕生し、中には間接検定成績の脂肪交雑(サシ)において全国歴代1位の成績を修めた「秀正実(ひでまさみつ)」が誕生するなど、これからの本県の肉用牛を支える種雄牛が造成できました。
なお、種雄牛造成に当たり、青森県、宮城県、岩手県、山形県、鳥取県、大分県、ジェネティクス北海道の6県1団体より、精液の提供による支援をいただきました。
「秀正実(ひでまさみつ)」号
口蹄疫発生時、種雄牛は高鍋町にある一般社団法人宮崎県家畜改良事業団で全頭管理されていましたが、口蹄疫のような有事が発生した場合の危機管理体制を見直し、種雄牛を守る新たな体制を構築するため、周辺に畜産農家が少ない西米良村に種雄牛分散管理施設を整備しました。
この西米良種雄牛センターを整備したことで、高鍋種雄牛センターと2か所で分散管理することが可能となり、有事におけるリスクが低減されました。
現在では、種雄牛20頭が西米良種雄牛センターで飼養され、凍結精液の製造が行われています。
また、県家畜改良事業団では、県とともに種雄牛センターとは別の緊急避難地の確保や施設の防疫体制強化など、本県の貴重な宝である種雄牛たちを守るための取組が続けられています。
西米良種雄牛センター
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