掲載開始日:2017年4月26日更新日:2017年4月26日
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平成22年に発生した「口蹄疫」は、畜産王国宮崎を大きく揺るがす大事件でした。
しかし、ここで中心的な役割を果たしたのが、県職員獣医師でした。
平成22年4月に宮崎県で口蹄疫が発生し、297,808頭の家畜が処分されました。そのとき県の獣医師は、家畜の殺処分や埋却、農場の消毒、他の農場に感染を広げないための調査などを行いました。
延岡家畜保健衛生所
齋藤主査
私は、口蹄疫を疑う通報があった際に、最初に農場に立ち入って症状を確認し、検査のための採材をする担当でした。夜に暗くて写真がうまく撮れなかったり、家畜が暴れて採血に手間取ったり、感染防止のために1日に何度もシャワーを浴びたりと様々な苦労がありました。また、自分の家畜が口蹄疫かもしれないという不安な気持ちの農家の方に、事実を告げるのもつらいことでした。感染の拡大を止められない焦りと無力さを感じていました。しかし、農家の方に殺処分を同意していただき、宮崎県のみならず全国の獣医師や畜産関係者が一丸となって防疫作業に取り組んだおかげで、終息することができました。口蹄疫は、畜産に携わる多くの人々の思いと組織力を感じた出来事でした。
口蹄疫の発生以降、家畜保健衛生所の業務で、以前にも増して重要となったのが「病原体が農場内に入りにくい体制をつくること」と「重大な伝染病が万が一発生した場合に、すばやい対応をとるための準備をしておくこと」です。普段はとても地道な仕事ですが、畜産を支えていく上で大切な役割を担っています。
これからも、あのときの思いを忘れずに仕事をしていこうと思います。
農政水産部畜産局 家畜防疫対策課防疫企画担当
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