掲載開始日:2023年6月9日更新日:2023年6月9日
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定例県議会知事提案説明要旨(令和5年6月)(PDF:315KB)
令和5年6月県議会定例会の開会に当たり、ただいま提案いたしました議案の御説明に先立ち、3点御報告を申し上げます。
1点目は、新型コロナウイルス感染症の5類移行についてであります。
新型コロナの感染は、令和2年1月に国内で初めて確認され、本県でも同年3月に確認されました。
それから3年以上に及ぶ長い闘いが続きましたが、去る5月8日に5類感染症へ移行し、感染症法や新型インフルエンザ特別措置法に基づく対策は大きな転換点を迎えました。
改めて、ここに至るまでの医療機関や高齢者施設をはじめとする関係者の皆様の御尽力、そして県民の皆様の感染防止対策への御理解・御協力に深く感謝申し上げます。
しかし、5類移行を境として、ウイルスそのものが変わるわけでも、ましてや無くなったわけでもありません。
県としましては、引き続き、感染動向の把握と、きめ細かな情報提供に取り組んでまいりますので、県民の皆様には、その時々の感染リスクに応じた適切な対策をお願いします。新型コロナ対策については、今後とも、必要な医療提供体制の確保に努めながら、感染状況や変異株の発生動向などを踏まえ、柔軟かつ適切に対応してまいります。
2点目は、G7宮崎農業大臣会合についてであります。
G7農業大臣会合は、関連行事を含め、4月21日から23日にかけて、シーガイアを中心に開催されました。本県では23年ぶりのG7サミット閣僚会合であります。天候にも恵まれ、全ての行事を無事に終了し、開催地としての役割を果たすことができました。
野村農林水産大臣をはじめ、会合関係者やG7宮崎農業大臣会合協力推進協議会の皆様、また、県議会をはじめ、県民の皆様の多大なる御協力に心から感謝申し上げます。
本会合では、世界的に食料安全保障への関心が高まる中で、生産性向上と持続可能性の両立など、今後の農業・食料政策の方向性が議論されました。その成果として、G7農業大臣声明、そして開催地である本県の名を冠する行動宣言「宮崎アクション」が採択され、農業を基幹産業とする本県にとって大変意義深い会合となりました。
私も機会をいただき、各国大臣等に向けて、本会合を契機とした民間企業との新たな連携や持続可能な農業に向けた取組などについて説明しました。皆様からは、本県の取組に対し、強い関心と高い評価をいただいたところであります。
また、歓迎レセプションや現地視察、会場展示等を通して、本県の豊かな食や農をはじめ、歴史、自然、伝統文化といった本県の魅力についても、国内のみならず世界に向けて発信することができました。
そして何より、小学生や大学生ボランティアによるおもてなし、高校生による英語での堂々とした提言、学生考案の米粉スイーツの提供、サミット給食など、次世代を担う若者が多くの場面で活躍し、今回の会合の成功に大きく貢献するとともに、各国の閣僚から高く評価いただきました。若い世代がG7各国の閣僚と直に接する機会は、何ものにも代えがたい経験であり、グローバルな視点を持つ人材育成につながったものと考えております。
今回の会合で、本県のMICE環境に自信を深めつつ、これらの成果を一過性のものとしないため、今後も関係者と連携し、農業振興をはじめ、国際会議の誘致やグローバル人材の育成などに力を入れてまいります。
3点目は、高速道路の整備についてであります。
東九州自動車道「清武南~日南北郷」間の17.8キロメートルが、3月25日に開通しました。
当日は、小雨にもかかわらず、沿道には開通を待ちわびた地元の方々の笑顔があふれ、関係者の皆様の大きな喜びと期待を実感しました。
この開通により、ついに日南市から北九州市までが一本の高速道路で結ばれることとなりました。広域観光ルートの形成や地場産業の振興、南海トラフ地震などの災害時における人命救助や救援物資の輸送などに大きく寄与するものと考えております。
これまで御支援・御尽力をいただきました県議会をはじめ、国土交通省や関係者の皆様方に、心より御礼申し上げます。
今後とも、一日も早い、県内高速道路の全線開通と暫定2車線区間の4車線化を目指し、全力で取り組んでまいります。
それでは、議案の概要について御説明申し上げます。
はじめに、補正予算案についてであります。
今年度の一般会計当初予算は、昨年の知事選挙の関係で骨格予算となりましたが、コロナ禍や原油価格・物価高騰等を踏まえ、年間を通して必要となる経費を計上した「骨太な」骨格予算としました。
今回提案いたします補正予算案は、私の政策提案を反映した県総合計画「アクションプラン」を実現するための「肉付け予算」としております。
本県は今、人口減少が急速に進む中で、コロナ禍や物価高の影響、度重なる自然災害といった百年に一度の危機に直面し、歴史的転換点にあります。このような中、WBC侍ジャパンの合宿やG7農業大臣会合の開催などの追い風が吹いております。今こそ宮崎再生を全力で進め、本県が全国に誇る「強み」を最大限に生かし、新たな宮崎づくりに力強く踏み出す時であります。
このような認識の下、今回の補正予算案は当初予算ベースで過去最大規模とし、その名称を「宮崎再生・創造予算~いち早く元の成長軌道へ、その先の未来へ」としました。
具体的には、まず宮崎再生基金をさらに積み増すとともに、その積極的な活用等により、コロナ禍・物価高騰等からの再生を全速力で進めてまいります。そして、子育て環境や農林業、スポーツ環境といった全国に誇る本県の強みを伸ばし、「子ども・若者」「グリーン成長」「スポーツ観光」の3つの分野で日本一に挑戦してまいります。
今回の補正額は、
であります。
この結果、
となります。
今回の補正予算による一般会計の歳入財源は、
であります。
なお、前年度の当初予算と比較しますと、6.6%の増であります。
以下、今回の補正予算案に計上した事業の概要について説明いたします。
今回の補正予算案は、「宮崎再生へ全速力」と「未来創造のスタート」を柱に構築しております。
まず、「宮崎再生へ全速力」として、
に取り組んでまいります。
1点目の「くらしを守る、地域を守る」では、路線バスの高齢者向け企画乗車券の発行やバス・タクシー運転士の二種免許取得を支援いたします。このほか、中山間地域での医療のデジタル化を推進するための支援や、省エネ性能の高い冷蔵庫・エアコンを購入した県民に対する補助などに取り組んでまいります。さらに、防災・減災、県土強靱化につながる公共事業を130億円規模で追加しております。
2点目の「仕事を守る、つくる」では、国の電気料金激変緩和策の対象となっていない、特別高圧で受電する中小企業に対する補助や、畜産農家への国の配合飼料価格安定制度の積立金相当額の補助など、物価高騰に直面する県内事業者の経営支援に取り組んでまいります。
3点目の「国内外に魅力を発信する」では、国際定期便の再開等に向けた航空会社等に対する運航経費の支援や、ソーシャルメディアの活用や海外の指定店等と連携した「おいしさ日本一宮崎牛」の国内外へのPRなどで、観光誘客や県産品の販路拡大を目指してまいります。特に、海外に向けた魅力発信の事業には、当初予算ベースで初めて10億円を超える規模で取り組みます。
次に、「未来創造のスタート」として、
の3分野を重点的に取り組んでまいります。
1点目は「子ども・若者の未来を応援する」取組であります。
まず、出産・子育てについて、妊産婦の健康診査受診時の通院費用助成や保育所等のおむつの定額利用の補助等を行う市町村を支援し、県民の負担軽減を図ってまいります。このうち、おむつの定額利用等への支援は都道府県では全国初の取組となります。
また、若者を応援する取組として、高校生に対する海外留学等への補助を県単独として初めて措置するとともに、一般就労を目指す知的障がいのある生徒に専門的な職業教育を行う高等特別支援学校を新設します。
2点目は「グリーン成長で環境を守り、地域経済を伸ばす」取組であります。
再造林にドローンを活用する事業体への操縦資格取得費用の補助や、有機農業の農家等に対する転換期間中の経費補助などに取り組み、ゼロカーボンの推進やG7農相会合の成果の継承につなげてまいります。
3点目は「スポーツ観光で世界を目指す」取組であります。
韓国からのサーファー誘客に向けた旅行関係者向けツアーや、屋外型トレーニングセンターの利用等を行うスポーツチーム関係者の県内視察など、国内外からの誘客やスポーツキャンプ効果の全県波及に取り組んでまいります。
次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
まず、条例改正についてであります。
議案第2号は、離島振興法に係る課税免除の適用要件の見直しが行われたこと等に伴い、県税の課税免除等の特例について改正を行うものであります。
議案第3号は、家畜用ワクチン及び接種票の交付に係る手数料を新設するほか、技能検定試験手数料に係る減免措置対象者の拡大等を行うものであります。
議案第4号は、プレジャーボートの係留施設を適切に管理するため、港湾施設の定義の改正を行うものであります。
議案第5号は、道路交通法の改正により、特定小型原動機付自転車の運転者講習が実施されることに伴い、警察関係手数料の改正を行うものであります。
議案第6号は、警察職員が警護に従事した場合等に支給される特殊勤務手当の額を引き上げるものであります。
議案第7号及び第8号は、認定こども園及び幼保連携型認定こども園における保育士の配置について、一人に限り看護師等で代替できるようにするなど、関係規定の改正を行うものであります。
議案第9号は、遠隔操作型小型車と特定小型原動機付自転車の従うべき信号機等について、それぞれ歩行者や自転車と同じ取扱いとなるよう、改正を行うものであります。
議案第10号から第14号までは、工事請負契約の締結や変更について、議会の議決に付するものであります。
議案第15号から第21号までは、各計画の変更について議会の議決に付するものであります。
このうち、議案第15号は、今後4年間の実行計画となるアクションプランを策定するため、宮崎県総合計画を変更するものであります。
議案第22号は、公安委員会委員山下恵子氏が令和5年8月7日をもって任期満了となりますので、その後任委員として同氏を任命いたしたく、議会の同意を求めるものであります。
議案第23号は、人事委員会委員黒木昭秀氏が令和5年7月18日をもって任期満了となりますので、その後任委員として同氏を選任いたしたく、議会の同意を求めるものであります。
議案第24号及び第25号は、収用委員会委員増田良文氏及び新井貴博氏が、令和5年7月18日をもって任期満了となりますので、その後任委員として同じく両氏をそれぞれ任命いたしたく、議会の同意を求めるものであります。
議案第26号は、県立日南病院の医療上の事故に関し、損害賠償額を定めることについて、議会の議決に付するものであります。
次に、報告第1号は、国による低所得の子育て世帯に対する生活支援特別給付金に係る令和5年度宮崎県一般会計補正予算(第1号)の専決報告であり、可能な限り5月までに支給するよう求める国の要請に対応するため、専決処分を行ったものであります。
報告第2号は、地方税法等の一部改正により、自動車税種別割のグリーン化特例の延長等が4月1日から施行されたことに伴い、所要の改正を行うための宮崎県税条例の一部を改正する条例の専決報告であり、早急に対応するため、専決処分を行ったものであります。
今回提案いたしました議案の概要については、以上であります。
昨年末の知事選挙では、多くの県民の皆様からの「将来に向けて希望の持てる県にしてほしい」という強い願いを肌身で感じました。
そのためには、まず本県の課題の克服を図り、その上で強みや特性を最大限に生かしていくことが肝要であると考えております。
私たちの足元を深く見つめ、そこから将来への展望を切り開いていく。私は、そのような思いで、今般の補正予算案では、本県の強みを生かした「3つの日本一挑戦プロジェクト」のさきがけとなる事業を盛り込みました。県民の皆様の強い期待にしっかりと応え、県民の皆様とともに本県の希望ある未来を創造していく所存であります。
議員の皆様におかれましては、よろしく御審議のほどお願いいたします。
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