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掲載開始日:2025年2月28日更新日:2025年2月28日

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令和6年度第2回入札・契約監視委員会の議事概要

開催日時

令和7年2月6日(木曜日)

13時30分から15時30分まで

会場

宮崎県庁防災庁舎75号室

出席委員

  • 岩浦厚信委員(建築士)
  • 髙妻和寛委員(公認会計士)
  • 櫻井裕子委員(税理士)
  • 鈴木祥広委員(宮崎大学工学部長)
  • 土井裕子委員(建築士)
  • 原田真一委員(弁護士)
  • 福山裕茂委員(宮崎県信用保証協会専務理事)

50音順、敬称省略

議題

  • (1)報告事項
    令和6年度第1四半期・第2四半期の競争入札・契約結果の状況
    入札参加資格停止の運用状況(令和6年分)
  • (2)審議事項
    建設工事及び業務委託(抽出事案)に係る入札・契約手続等について

意見等要旨

(1)報告事項について

(委員)入札参加資格停止の運用状況について、令和6年は3件ということだが、令和5年はどうだったか。

(県)令和5年は13件であり、比較すると令和6年は大きく減っている。主な要因としては、近年の傾向として工事中の事故が割合を多く占め非常に多くなっているが、令和5年と令和6年を比較すると、県外業者の工事事故の発生が少なかったことが入札参加停止件数の減少に繋がっていると認識している。

(2)審議事項について

建設工事及び業務委託(抽出事案)に係る入札・契約手続等について

事案1[建設工事条件付一般競争入札(総合評価以外)]西都土木事務所

(委員)契約金額高額にもかかわらず、応札者が1者のみとなった理由や経緯、及び高い落札率となった予想される理由を教えてほしい。

(県)まず応札者が1者であることについては、当該工事現場が西都市内から約2時間を要する山間部に位置することや災害復旧工事箇所が連続していることから、他工区との調整、人員配置や資材の手配等において不利な状況にある管外企業の応札がなかったと推察される。また、落札率が高いことについて、当該工事の実施に必要となる工事費の積算にあたっては、入札公告の際に明示する図面や単価抜き設計書などの設計図書のほか、公表されている土木工事標準積算基準書や土木工事設計単価等により精度よく算出できたと推察される。実際の入札に際しては、工事の緊急性や工事現場の条件を考慮した人員配置や資材の手配、作業計画の検討を行い、当該工事の施工に必要な経費を算定した結果、予定価格と近い入札額で応札したものと推察される。

(委員)災害復旧工事箇所が連続していることから他工区との調整をしたという表現があったが、これは、他工区も落札業者が工事を施工しているということなのか。すなわち、落札業者が連続している工区を施工しているから同一業者が施工したほうがやりやすいから応札したという意味なのか。

(県)連続している箇所がその前後でかなりの数があり、そちらは別の業者が施工している箇所がある。また、まだ発注ができていない場所もある。なるべく早く道路を開放していきたいということから、まず一番激しく壊れている箇所を先行して施工している状況。連続している箇所を同一落札業者が施工しているということではない。

(委員)業者が近い箇所を施工しているため現場経費も安くなることから、同一落札業者が施工できると思って応札したのかと想像したがそういうことではないということか。

(県)そうである。

(委員)財務局承認後、工期が令和8年3月までとあるが、これは工期が1年ほど延びたということなのか。

(県)承認が得られれば令和8年3月4日までで延びるということである。当初は令和7年3月25日までの工期で契約しているが、実際は時間がかかる工事となっているため、承認されれば約1年近く延ばせるということ。

(委員)1年近く延びるということを業者は理解していて、ここまで延びても請け負えるという範疇で応札してくるということなのか。

(県)そうである。

(委員)このようなケースというのは多分にあるのか。

(県)工期は現在かかる日数を設定し明示している。その中で、国の財務局の承認が得られればという条件を入札公告で最初から提示しているため、国からの承認が得られた場合には工期が延びることも業者は理解した上で応札している。

事案2[随意契約]西都土木事務所

(委員)仮橋設置工事で、架橋工事の経験のある業者はたくさんいると思うのだが、工事金額の割に応札者が1者で落札率も高い理由を教えてほしい。

(県)応札者が1者であることについて、当該路線の地形・地質を熟知するとともに同様な工事実績が豊富で、工事成績も優れている企業に緊急施行工事として1者に随意契約で発注したためである。具体的には、令和6年3月27日、県道西都南郷線の西都市大字八重において、豪雨により法面が崩壊し全面通行止めとなった。当該路線は、東米良地区と西都市中心部を結ぶ主要な基幹道路であるが、通行止めに伴う迂回ルートは幅員が狭く脆弱な林道であることから、住民の生命・財産に影響する恐れが高かった。また、地域生活や産業に大きな支障が生じるとともに著しい不安感を与えていたことから、仮橋を設置することにより早急に交通を確保する必要があった。また、落札率が高いことについては、当該工事の実施に必要となる工事費の積算にあたっては、入札公告の際に明示する図面や単価抜き設計書などの設計図書のほか、公表されている土木工事標準積算基準書や土木工事設計単価等により精度よく算出できたと推察される。また、実際の入札に際しては、大型重機による仮橋の施工性、工事の緊急性、工事現場の条件等を考慮した人員配置や資材の手配、作業計画の検討を行い、当該工事の施工に必要な経費を算定した結果、予定価格と近い入札額で応札したものと推察される。

(委員)曲がりくねったところの崩落に対して、ショートカットを仮橋で作るというアイデアはすごく良いと思った。林道の曲がりくねったところ、崩落しているところを下手に工事するとまた次が崩落してということになりがちなので、このようなショートカットのやり方もあるのかと見させていただいた。

(委員)契約の相手方である○○○○の他に、要件を満たしているのは何者くらいいたのか。

(県)西都市内の特A業者だともう1者いた。

(委員)緊急案件なので1者というところは理解できる。長い目で見て、もう1者と公平性の観点から、今回○○○○を選んだのは、同様の工事でもう1社に過去に発注したことがあるとか、そういったバランスを考えて○○○○を選んだというところがあるのか。

(県)実績そのものは、○○○○ももう1者も一緒だがそれ以外の部分で、工事の成績や施工の技術力などを総合的に判断して○○○○を選定した。

事案3[建設工事随意契約]西諸県農林振興局

(委員)落札者以外の2者が辞退された理由や経緯、また、落札率が100%となったと予想される理由を教えてほしい。

(県)今回の工事は、令和4年9月の台風第14号による大雨により被災した山林を復旧する治山工事であるが、これまで条件付一般競争入札を4回実施したものの全て不調となったため、随意契約を行なったもの。今回の契約では、初回の見積りにおいては3者とも応札されたものの予定価格を超過したため不落となり、再度の見積りを実施したところ2者が辞退されているが、その理由については、初回の応札金額以下では当工事の施工は困難であると判断された結果だと推察する。また、落札率が100%となった理由について、工事費の積算にあたっては、見積依頼書に明示している図面や単価抜設計書などの設計図書のほか、森林土木工事標準歩掛や森林土木設計単価等により精度の高い工事価格を算出できたものと推察されることから予定価格に近い金額になったものと推察する。

(委員)競争入札しようとしたら不調不落が続き随意契約となった場合というのは、落札率は限りなく100%に近づきやすくなるものなのか。今回の入札の経緯を見ると、細かい数字で積み上がっていって、最後は5万単位で引き上げて何か着地点を生み出したようで、こうなりがちなのかと思ったところ。全体的な話になるのかもしれないが、このような形で競争入札から随意契約に移行するというのは比較的よくある話なのか。それとも近年の話なのか。また、主な不調になる理由というのが、最近話題になっている人手の問題や技術者の問題、あとは金額の問題などいろいろ想定されると思うが、最近の理由は何が一番多いのか。

(県)以前にも、森林土木工事は条件付一般競争入札で出すが不調で随意契約をしたことはある。また、最近不調になっている理由だが、お話のあった技術者の手配が難しいというのもあるし、工事案件が多いというのもあるかと思う。

(県)補足したい。今回のケースだと、条件付一般競争入札で4回入札をしても応札者がいなかった。そこで随意契約という形で3者を選び見積依頼をしたが、1回目はかなり予定価格よりも高い金額で3者とも見積りを出した。業者はある程度推察して正確に予定価格を積算できる環境にはあるので、今回の件に関しても、基本的にはこれくらいという推察はあった上で、他の業者が受けてくれればいいというところで少し初めは高めに皆見積りを出されたのではないかと推察する。それが、2回目見積依頼をしたときに今回落札された○○○○以外が辞退されたという状況の中、この○○○○が、仕方がないと少しずつ歩み寄っていったというのが入札の経緯かと思う。今回、そういう形で価格競争から随意契約にせざるをえなくなったというのは、やはり現場条件的に少し遠方にあるとか、近年の資材の高騰、また人材不足、下請けを含めてなかなか人材を確保するのが厳しいという環境もあるため、仕事を選んでいる状況がある。こういった状況での不調も結構増えてきており、競争入札から随意契約という流れは近年増えてきている。

(委員)今のお話は非常に理解できるが、環境の問題、工事現場が山の中などの不利な条件だとか資材が高騰しているといったものは、今回の予定価格には反映はされていないので不落になるということなのか。それとも、反映はしているがやはり足りないということなのか。

(県)予定価格を算出するための資材の価格調査等は基本的に毎月しており、その中で単価の見直しは随時行なってきてはいるが、やはり人手不足の方が不調の原因として多いのではという気がする。

(委員)今、不調の案件がすごく多く、請負う業者が少なく、災害は山間部で非常に施工しづらいためなかなか応札しにくいという事情があるかと思う。この事業を受けてもらってよかったというのがおそらく発注側の本音かと思う。随意契約も一般競争入札も予定価格の計算の仕方は同じで、随意契約は緊急に施工しないといけないため予定価格を一般競争入札より少し増額するというのは基本的に無い。そうすると、なかなか請負業者にとっては、緊急に事業を請負わなければならないし、でも予算はがっちりと縛られていることになる。今回の場合には請負ってくれた業者があるが、非常に厳しい状況にあり、私が社長だったらどうかなというのをよく考える。入札・契約監視委員会はしっかりと入札して落札されているかを確認するということだが、今の話を聞くとそういう状況にもあるが、そもそも宮崎県内のこのような事業が非常に滞ってきており厳しい状況にあるなというのは理解したところ。厳しいところ調整いただきなんとか施工いただいたということで、一宮崎県民としては、感謝しかない。

事案4[業務委託・随意契約]宮崎国スポ・障スポ局

(委員)今回の案件の中で、一番工事金額が大きく、応札者が2者であったにも関わらず、落札率が非常に高い。

(県)本件は公募型プロポーザル方式により事業者を選定しており、あらかじめ契約上限額を示した上で提案を募集したもの。そのため、契約上限額に対する契約額の割合が高くなっている。なお、提案内容の評価においては、「見積価格(経費の積算)は適正であるか」「費用面での節減が図られているか」などの視点から、提案者の知識力や技術力の評価を行なっており、価格が安いことが高い評価となる発注方式ではない。

(委員)前回も庭球場の改修事業ということで、この公募型プロポーザル方式で行うと説明いただいた。私が、国際大会やトップアスリートの利用、ユニバーサルデザインの配慮などいろいろチェック項目があるがどういった内容なのかと質問した覚えがある。今回の説明も含め、庭球場や管理棟を含めて宮崎県が誇るような施設づくりをされるという期待が持てた。今回の事例10のコンストラクションマネジメント業務についても、これに沿った事業であると思われる。

追加質問

(委員)今後、災害が増えていくことが予想され、加えて人件費や物価の高騰、業者不足などの問題に、県としてどのような対策を講じていくのか。また、今後の災害を含めた建設工事(特に土木工事)の発注の考え方をお伺いしたい。

(県)ご指摘のように、建設産業を取り巻く環境は年々厳しさを増している状況である。まず、令和4年の台風14号も然りだが、今後発生するであろう大規模災害への対応を考えたときに、地域の守り手である建設業者が安定的に企業経営でき活躍できる環境を創出していくという責任が我々県側、発注者側に課せられていると認識している。そういったところを踏まえ、現状の取組をいくつか御紹介する。まず人件費や物価高騰への対応という部分に関しては、国と連携して労務費の実態調査を行い、設計労務単価を12年連続で引き上げた。先日は首相からも、設計労務単価の見直しを早急にやるようにという話が出ているというのも聞いた。工事資材などの取引価格も毎月調査しており、設計価格に速やかに反映する取組を行なっている。また一方で業者不足への対応という部分では、業者が持っている能力をしっかり発揮してもらうために、施工時期を年間通じて平準化している。忙しい時期、暇な時期が無いように、常に同じ負荷で仕事ができるように施工時期の平準化に取り組んでいる。特に復旧・復興JV制度というものを導入し、施工力の強化や生産性向上に向けたICT活用工事の推進に取り組んでいる。また、担い手の育成確保に向けては、週休2日工事の拡充など働き方改革に取り組んでおり、建設産業の魅力を発信するポータルサイトやYouTube動画の配信に関して業界と連携して取り組んでいる。今後とも建設産業の健全な発展と、県民の安全安心な生活環境の確保に向けて、適正な予定価格の算定及び設定、また適正な工期の設定、さらに施工時期の平準化に配慮した工事発注を行なっていきたい。

(委員)今回の審議について見ても災害復旧の工事が多いことから、やはり災害の多い時期に来ているのかと思う。それに対応するような工事発注をされている県も大変だと思うが、受ける業者も大変な思いがあるかと思うので、ご苦労であろうが今後とも宮崎県の災害復旧や工事発注について頑張っていただきたい。

(委員)施工時期の平準化はとても素晴らしいと思うが、本来、田舎の建設業は農業の裏作のようなところがあり、現場で作業する人は農家の人であることがとても多かった。建設業は農業と補完する産業ということでこれまではあったが、施工時期を平準化すると、農業に従事する人は行けなくなる。今は農家の人が手伝いに来るという方向ではなくなってきているのか。

(県)以前は、農家は田植えや稲刈りの時期は建設業に出てこなくて、農作業が無い冬の時期に建設業で働いて現金収入を得るというような形がスタンダードで、特に中山間地域ではそういう形であったが、現状は社員として雇用して、決まった月給を払う形でいかないと、そもそも働いてくれる方もおらず衰退していってしまう。今は基本的には直接雇用で年中決まった給料をしっかり支払うという企業がほとんどかなと思う。

(委員)私も施工時期の平準化は素晴らしい考えだと思うが、一方で、最初に説明いただいた契約件数の話で、去年に比べると件数が少なくなっているという話の中で、市町村の災害復旧が多かったのではないかという話もあった。よって、県だけ平準化したとしても、市町村の工事が今まで通りだったらあまり効果が出ないではないかと考える。市町村と連携して工期を平準化していかないといけないと考える、そのあたりで、何か市町村との連携を考えたり実際にしていることがあれば教えていただきたい。

(県)施工時期の平準化、働き方改革の取組は国も県も市町村も一緒になって進めていかないといけないので、当然ながら市町村にも、機会あるごとに働き方改革に繋がる週休2日工事や施工時期の平準化などのお願いをしている。最初にお話した市町村工事の災害復旧工事が少し増えてきているという主な原因が令和4年の14号災害で、まずは生活を支える幹線道路とか、河川の氾濫を起こすような場所といったところについて集中的に施工を進めており、どちらかというと市町村が担当している耕地災害は後回しにさせていただいている。町も、町道をまずしっかり整備して住民生活に支障のないようにというところで事業の優先順位付けをやってきていると考える。まだまだ県の道路、山間部の道路災害復旧工事など、今から発注する分はあるが、ある程度目処が立ってきたので、今まで後回しにしていた耕地災害などを発注している。こういった意味では、施工時期の平準化、優先順位付けではうまく連携できているのかなと考える。まだまだ十分な状況ではないので、今後ともその取り組み意識を持って取り組んでいかなければと考えている。

(委員)人件費の積算は、関東と宮崎は一律なのか。

(県)都道府県により差がある。

(委員)宮崎県に残って、土木事業も建設業もコンサルも就こうという学生がかなり減ってきている。関東に行けば大企業で非常に給料も良く厚生経費なども非常に多く、初任給が30万を超えているという会社がたくさんある。そういった中で、地元にも大学から送り出したいが、なかなか現状は違い、こうなるとなかなか人手もいない状況があって非常に厳しいかと考える。積算単価をもう少し国で上げてもらうとありがたいが、逆に上げると、おそらくこういった事業はすべて税金が財源になるので、税金が足らないのではないかとなり、そうなるとまた、税金を下げて欲しい私としては税金が上がるのは厭わしい。非常に苦しいところではあるが、都会と地方の状況は乖離があって、関東地方の大きいところがやる事業と、九州地方の宮崎県とかそれ以外のところでやる建設事業との位置付けとか状況がかなり違っており、今回の審議事案でも不落や不調のところがあったが非常に厳しいところがある。実際に調整して施工を進めていかなければいけない発注者側は大変だろうなということを理解する。昔はモチベーションがあればと言うが、今は若い先生達に言わせると、モチベーションだけでは人間は生きていけないし今の若者には魅力ではないという。我々の時にはモチベーションと元気があれば給料少しぐらい安くてもいいのではないかという話だったが、モチベーションでは飯は食べられないとドライに言われると、そうだなということがある。そうは言っても、今後とも適正な入札と契約を引き続きお願いして、我々はしっかりと執行されているかというのを確認していくのがこの委員会の仕事になっているので、資料作り等大変だと思うが理解いただきながら我々もチェックしていきたい。

書面審議(事案5から事案10)

【事案5】建設工事条件付一般競争入札(総合評価)北部港湾事務所

【事案6】建設工事条件付一般競争入札(総合評価)児湯農林振興局

【事案7】建設工事条件付一般競争入札(総合評価以外)児湯農林振興局

【事案8】建設工事条件付一般競争入札(総合評価以外)西諸県農林振興局

【事案9】業務委託条件付一般競争入札(総合評価以外)病院局経営管理課

【事案10】業務委託随意契約宮崎国スポ・障スポ局

書面により審議し、追加の質疑等はなし。

お問い合わせ

総務部人事課行政改革推進室改革推進担当

〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号

ファクス:0985-26-7345

メールアドレス:jinji-gyoseikaikaku@pref.miyazaki.lg.jp

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