平成27年度第12回知事とのふれあいフォーラム
第12回知事とのふれあいフォーラム
内容
開催日時等
開催日
平成28年2月8日(月曜)午前10時30分から正午
場所
県庁講堂
参加者
まもなく有権者となる高校生の皆さん10名
知事
ふれあいフォーラムの内容
知事挨拶
- 「対話と協働」を政治信条としており、多くの県民の皆さんの意見を聞きながら県政を進めている。
- 選挙権年齢の見直しで、若い世代がいよいよ夏から参議院の投票ということになる。今日は、ぜひ高校生の皆さんと意見交換をしてみたい、それで政治や選挙について考えるきっかけにしていただき、そして皆さんにとって身近な宮崎県政について考えていただきたい、そういう機会にしたいと考えている。
- これだけの数のカメラに取り囲まれている中ではあるが、ぜひざっくばらんに意見を言っていただきながら、そしていろんな人の意見からまた刺激をもらって帰っていただき、それぞれの学校で議論を深めてもらいたい。
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フォーラムの様子
「高校生が見つめる政治と宮崎県政」をテーマとして、活発な意見交換が行われました。
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主な意見等
- 政治や県政に対する意識について
- 18歳から19歳ということで成人しているわけでもなく、消費税しか納税をしていないのに、選挙権という新しく大きい権利を与えていていいのかなという疑問を少し持った。
- 18歳・19歳という年齢は、多くの人が進学や就職など自分の進路の選択をする時期なので、選挙が自分の進路にどう影響するのかについて考え、政治に参加することができるというのはとてもいいことだと思った。20代、30代の投票率が約30%と低いことが問題になっているが、選挙権年齢が18歳に引き下げられることで、若年層の声も届きやすくなるのではないかと期待している。
- 18歳・19歳の有権者が240万人ということで、240万という票が増えて、若い人の意見が取り入れられることになるが、自分たちはまだそんなに政治の知識がないという人も多いと思う。真剣に政治の知識を持って投票する一票と、周りに流されて投票する一票とが同じ重さで考えられてしまうことになるので、責任を持って投票に行かなければいけない。
- 今、授業で世界中の選挙制度について学んでいるのだが、18歳になれば、男女平等で貧富に関係なく選挙権が与えられるということがすごく重いことなんだなと実感するようになった。なので、今後はこのことの意義や重さをもうちょっと感じながら選挙に臨みたい。
- 投票率が低く、20代の方々が行かないのに、18歳以上への引下げというのに意味があるのかなと思う。自分たち世代はあまり政治に関心がないというか知識も浅いので、一票に意味があるのかなという気がする。
- 選挙権年齢の引下げはとてもうれしい。家でニュースとか見ていて、福祉関係や雇用問題、災害の対応・対策などが報じられているときに、自分なりにああしてほしいな、こうしてほしいなと思っても、自分の意見を社会的に言うことができない中で、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、自分も意見を言う機会ができて、すごくいい。
- 友達の中で政治やニュースについてすごく関心がある人がいて、その人によく話を聞いていた。このようなことから、政治に対する知識に関して、私は年齢は関係ないと思っている。だから、18歳であろうと15歳であろうと、知識のある人は知識があるし、勉強しない人は勉強しないので、私自身はもっと選挙権年齢を引き下げてもいいんじゃないかとは思う。
- 若い人が選挙に行かない理由として、高齢者が多いから高齢者の意見が反映されやすく、若い人の意見が反映されづらいこともあると思うので、若い人の意見がどれだけ価値があるのかということを考えていくことが大事。
- 投票率のことについて調べたのだが、若い人が投票に行かない理由のうち、暇がないから行けないというのが30%あった。不在者投票もできるはずなのに、暇がないから行かないというのは、自分が政治に興味がないからという言い訳ではないかと思う。若い人の投票率がどうやったら上がるのかと考えるときに、ネット選挙などが広がると良いのではないかと言われているが、選挙の方法についてというより、まず自分たちが選挙に行くことを考えなければいけないんじゃないか。
- 政治への関心と理解を深めるために
- 市町村長の講話やこういったフォーラムを積極的にやっていくと、若者が政治に関心や興味を持ちやすい、また、知識としても得ることができるので、そういう機会を増やすことがこれから大事。
- 高校では既に出前授業や講演会などが行われているが、高校に入っていきなり18歳から選挙権が与えられるんだよと言われてもよく分からないと思うので、中学生向けにこういう取組を開いてみてもいいのではないか。
- 影響力のある10代の有名人と一般の高校生を集めて番組を作って、その中で選挙権や政治について話し合う企画を放送すれば、啓発やきっかけになる。
- 若者が政治を知る手段としてはメディアが一番大きいと思うが、ニュースや国会中継というのは、10代の自分たちからすればちょっとかけ離れているような印象が強い。テレビで取り上げられている話題は大人に関係することが大きいと思うのだが、自分たちの将来にも関係ある内容だということを、中学生・高校生の段階から意識づけさせ、教えていただく機会が必要ではないか。
- 去年の12月に生徒会選挙があった。そのときに行政の方が来られて選挙の講話をしたのだが、よく分からなかった。専門用語が使われていたり、高校生が聞いても、大人の先生方が聞いても分からないだろうなと思ったので、どんな年齢層でも分かりやすい発言・広報の仕方が大切。
- 結局は、自分が投票した人が何をしてくれるかという、自分の身に対して何があるかという実感がないと興味を持てない。
- 学校で模擬選挙などを積極的にやるべきじゃないか。中学校のときに選挙管理委員会の方に来ていただき、選挙についてのお話や実際の投票用紙を1枚ずつ触らせてもらう体験など、身近に感じるように分かりやすく説明していただいた。そのときにもらったパンフレットを政治に全く興味がないと言っていた友達が見て「へぇ」とか言っていたので、読みやすそうなパンフレットなどがあると興味を持つんだなと思った。
- テレビを見ていると悪いことをした人のニュースが多く、政治に対して自分の意見を述べようと思っても、自分たちで選んだ人がちゃんとしているのかなとか、そういう疑問を持ったりする人も多いと思う。若い人が選挙に行かないというのは、このような影響もある。
- 前回の衆議院選挙の投票率を見たときに、今の高校生の親たちは大体40歳代前後になると思うのだが、その年代の投票率が半分を切っている。親が選挙に行かなければ、子どもがそこまで関心を持つということもないだろうと思われるので、18歳以下の高校生・中学生ぐらいの保護者の世代を含めて全ての世代の関心をどう上げるか、そこを考えた方がいいのではないか。
- やらなければいけないと思ったら、調べて勉強をする。だから学校でも、グループ活動を通して選挙について調べさせて、それを発表させる。そうすることによって、人に自分の考えを伝えるという活動ができるので、それで生徒の知識が深まっていくと思う。
- 宮崎県の将来像について
- 明るく活気のある県になってほしい。各市町村が自分の町に自信を持って、こういう元気のある県だよというのをアピールできるような県になってほしい。そのためにも、大人の方々が頑張っているだけではだめだと思うので、若者の力もちゃんとそこに加わるような、そのための興味を引くようなアイデアが必要。
- 高校3年生で卒業後、就職をする場合、県内に自分の働きたい職場がないので関東に出るなど県外に行ってしまう、県内に残りたいけど残れないという人が結構いる。将来は、県内で人材育成みたいなものができたらいいなと思っているのだが、地元を愛する心を育てていけるようなことを学校でできたらいいんじゃないか。
- 一度県外に出て行っても、帰ってきたいと思えるような県であってほしい。外で学んでいろいろ吸収した人を呼び戻す取組をしないといけないと思う。スポーツに対しては宮崎はかなり取り組んでいるが、文化的な刺激ももっと欲しい。
- 宮崎県を全国からと言わず世界中から人が集まってくるような県にしたい。宮崎県は現在、全国の魅力度ランキングで13位。宮崎県より上位のランキングを見ていると都心部だったり観光地だったりであり、このような中でも13位に入っている。だからアピールの仕方が良くなれば、人がたくさん集まってくると思う。例えば、私の住む日向市のお倉ケ浜が東京オリンピックの開催地になり、世界に知られることになれば、全国だけでなく、世界から注目を浴びるということだから、すごくいいと思う。だから、サーフィンを世界中の人に広めて交流も活性化していけたらいい。
- 私は吹奏楽部にいて、日向市の中で開催されるイベントに参加し、市の活性化につながるような活動ができていると思っている。今後もこういう活動をもっと地域に広めていって、常にそういうことを開催することができれば、もっと市町村も活発になるだろうし、人が集まるのでいい。
- 宮崎県が、より地域医療が充実した県になってほしい。宮崎の山間地帯では高度医療や救急医療が不便であり、医師の不足と医師自体の高齢化が大きな問題だと思う。これらの問題解決のために、医師の確保を期待したい。必要な治療を行なうためには十分な医師数が必要であるし、へき地医療や救急医療の観点から、医師数だけではなく医療の質も充実していけたらいい。
- 避難所の少なさと耐久性のなさが気になる。避難所を増やしてほしいというのと、ちゃんと耐久性のあるものにしてほしい。
- 宮崎県は気候が良くて自然が豊かで、食べ物もすごくおいしいのに、交通の便が悪いので観光地に行こうと思っても行けないことがある。そして、人が来なくなって倒産し、観光地がなくなったりという悪循環があるので、もうちょっと交通の便が良くなるといい。
それと県外の友達が、宮崎県の食べ物は全部おいしいから有名なものがないんだと言っていた。確かに私も東京や福岡に行ったときに、やっぱり宮崎の食べ物がおいしいなと思う。だから、宮崎は食べ物がおいしいというのをもっともっとPRしていったらいい。
- 椎葉などの地域が農業遺産になって、宮崎県の中山間地域に注目が集まる年だと思ったのだが、やっぱりこの地域を守っていくためには、守っていくための人たちがそこに残らなければいけない。大規模病院にはすごく医師が集まる傾向にあると聞いたのだが、県病院からの支援など連携をしっかりして、山間部にも必ず医者がいるという状態にしてほしい。
- 私は、延岡市観光協会のガイドボランティア養成講座に参加しているのだが、観光で一番難しいのは、そこに住んでいる人に「何もない」と言わせないことだと聞いた。小さいうちから身近な観光資源に触れていれば、「ここにはこれがあるんだよ」と多くの人にPRできて、観光が盛んになるのではないか。
- 最近、「日本のひなた宮崎県」というポスターをいろんなところで見かけるようになった。多くの宮崎県出身者で有名人の方々が出ているPR動画を見たり、テーマソングを聞いて、すごく宮崎っていいなと自分でも思う。住んでいる人が自分の町を自慢する、自分の県をもっと日本全体や世界に発信し、PRを続けていくことが大事。
- 宮崎のイオンが九州最大になるとか、延岡駅が改造され自動改札がここにできたりとか、そういう話を聞いたときに、正直あんまりうれしくなくて、宮崎にも地域性が薄れていると感じた。私は、宮崎の地域性を生かしたものができたらいいなと思う。例えば、サーフィンの授業を取り入れて県全体で取り組むとか、そういう活動をすることが大事。
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知事総括
- 多くのカメラに取り囲まれた中で、皆さんがどれだけ発言をしていただけるか非常に心配に思った中ではあったが、どんどん意見を出していただいたし、その意見もすばらしいものだった。
- 今回は選挙権年齢の見直しについてであったが、そういった内容について分かりやすく、いかに効率的に伝えるかというようなところでいろいろヒントを頂いた。今後は行政としても、それから政治家としても、その伝え方を工夫しながら社会をより良くしていきたいと思う。
- ぜひ皆さんはそれぞれの立場で、また、学校に戻っても、いろんな議論を巻き起こしていただきたい。さらに、これからも宮崎県内で、それからもし宮崎県を出たとしても、宮崎県の発展のために力を尽くしていただきたい。
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