令和6年度「知事との本音トーク」地域版(第5回)
内容
開催日時など
開催日時
令和6年10月3日(木曜日)午後1時30分から午後3時まで
場所
小林市役所第一別館大会議室
テーマ
小林市の将来像と直面する課題
参加者
小林市の皆さん12名
知事挨拶
- 本日は、「知事との本音トーク」にご参加いただき、心から感謝申し上げる。県政推進においては、「対話と協働」を重視し、市町村の皆さまとの意見交換を通じて、そのフィードバックを県政に反映する取り組みを行なっている。
- 「知事とのふれあいフォーラム」は今年度より「知事との本音トーク」に名称変更した。本音トークとしての開催は5回目である。
- 小林市は私の家族がシャインマスカット好きなこともあり買いによく来る。美味しいものがたくさんある地域だと思っている。
- 県内で地震や台風の被害が発生している。このようなさまざまな課題に直面しながら、いかに宮崎県の強み、そして小林の強みを生かして、将来を展望していくかという議論ができればと考えている。
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小林市の将来像と直面する課題
- 高齢者の福祉に携わっている。市内の高校からの進学先が専門学校1校のみで、子の世代がどんどん離れていき、親の介護が始まる世代も少なくなっているという課題がある。介護世代は仕事をしている方が多く、高齢者の通院や買い物など生活に関わるところがフォローできない家庭もある。介護保険の通所型サービスでは足りないのがこの通院や買い物、美容室などへの送迎であり、この介護保険外のサービスに対応できる我々のような仕事があるということをもっと周知、注目してほしいと思っている。
- 高齢化が進み、定年の年齢も上がってきて、自治会長のなり手不足、ひいては自治会自体の存続も危ぶまれている。人口が減ると地域経済も回らなくなり、細野地区では複数の店舗が撤退している。そこで、細野地区では県の事業のモデル地区となり、買い物難民を手助けできるような取り組みを始めたところである。モデル事業が終了した後も、この取り組みが継続できるような制度、アイデアを教えてほしい。自分たちの力で、地域を地域で支えていく未来を作っていきたいと考えている。
- スポーツ推進委員として、幼児から高齢者まで幅広く運動してもらう生涯スポーツを担当している。小林市も健康スポーツのまちを掲げ、2027年の国スポ・障スポ開催に向け、新体育館の整備を進めている。旧体育館はまちなかにあったが、新体育館は中心から離れたところにあり、高齢者の移動手段が心配である。子育て支援の複合型施設でもあるため大いに活用できるようコミュニティバスの配備など交通の改善に協力してほしい。
- 社会福祉協議会では、地域の福祉を中心としたまちづくりを行なっている、最近では特にひきこもり支援に力を注いでいるが、解決には時間がかかるというのを実感している。一方で、もともと相談に来られていたひきこもりの本人や家族の方がとても活動に協力的であり、今悩んでいる方々の支援をする側のような気持ちを持って活動してくださるのが今では強みである。
- 市から重層的支援体制整備事業として委託を受けて活動しているため支援がしやすくなっている。ひきこもり当事者の方が、我々の活動の中で有償ボランティアとして報酬の出る役割を担っている。今すぐの一般就労は難しいが、何か社会の役に立ちたいという思いは持っているので、スモールステップの場所がたくさん増えていって、こういう仕事がある、この会社は理解があるなど情報が広がるとありがたい。
- 地域医療を考える会として10年以上活動しているが、医師の確保はやはりそう上手くはいかないという現状である。県の医師の偏在対策について伺いたい。
- 小林市立病院は鹿児島大学から医師の派遣を受けてきたが、今後県を跨いだ派遣については一切見込めなくなる。医師も高齢化していく中、西諸の中核病院をどう守っていくのか試行錯誤している。
- 南海トラフの発生についても懸念がある中で、この前の台風10号で宮崎市内と小林を結ぶ国道が通行止めになった。高速道路も止まって、当然ドクターヘリも飛べない。命の道の確保という観点から、山間地域の中核病院を後方支援病院として維持していくことを強く求めたい。
- ひとり親、子どもの貧困について取り組んでいる。給付金などたくさん支援制度があり、フードパントリーなど食料支援も行なっている。しかし、与えるだけの支援は自立につながらない。資格取得などで自立に向かっていってほしいという思いがある。
- 過去には県のひとり親連合会主催の講習会が小林でも開催され、10年前と4年前の医療事務講習会で受講者全員合格し、病院などに医療事務で就労、安定してきたという方もいる。なかなか次の順番が小林に回ってこないので、もう少しそのような講習会を増やしてほしい。また、看護などの資格だけでなく、時代に合ったITなどの資格取得に向けた受講を希望する方もいるので、幅広い講習会を開催してほしい。
- 宮崎は全国4位のお茶の生産地であるが、高齢化による離農などで年々生産面積が減っている。農業に興味を持ってもらって就農してほしいという思いはあるが、お茶は植えてから生産まで5年ほどかかり、加工場も作らなければならないということで新規で就農するのは難しい。
- 小学生などに対してお茶の入れ方教室やJA主催でお米学習を実施するなど農に触れる体験をしてもらい、こういう仕事がしたいと思ってもらえるようPRに取り組んでいる。しかし、地域の組織だけで単独で行なっているので、県の普及センターなどに協力をいただき、資料や素材も借りながら子どもたちにPRしていきたい。
- 出前教室を行なっているが、就職とか職種に興味が出てくる中学校などにコンタクトする機会がないので、コンタクトできる機会を増やしてほしい。
- 宮崎で南海トラフが発生した場合、小林に避難をするケースが考えられる。国道経由だと紙屋大橋を通行することになるが、みんな橋は壊れるはずがないと思っている。しかし、昨今の災害は何が起こるかわからない。迂回路の県道も災害のたびに通行止めになっている。迂回路が迂回路になっていない。1か所直しても次がまた壊れてしまうため、何とかしてほしい。
- 神谷川は大規模な河川改修があり、昭和に決壊してから特段大きな被害を受けずに今日まで来られている。しかし、線状降水帯の発生などにより近年雨量が増えており、災害時に市の紙屋出張所が避難所として機能していない。県にも河川のメンテナンスを要望しているがなかなか進まない。道路、河川含めて落ち葉の清掃など小さいものからで良いので定期的に対応してほしい。
- 中山間地域で田畑がたくさんあるが、後継者不足で作られていないところも多い。トラクターなども高価で維持管理が大変なため、資金面でのフォローが必要である。
- 市の体育館などが2次避難所となっているが、夏は熱中症の危険があり、避難所として適合しない状況である。夏に南海トラフなどが発生し、受け入れが必要となった時のことも考えてもう少し環境整備をしてほしい。また、災害関連死をなくすことを目指し、命のバトンについても社会福祉協議会などを通じて普及に取り組んでほしい。
- 都城を迂回せず小林市から宮崎市を結ぶ高速道路の整備を検討してほしい。国道と高速道路で所要時間があまり変わらない。海沿いの地域が南海トラフで被災した際に、支援拠点は都城の次は小林になると思う。国道は決壊などで通行止めになりやすい。救助に向かう観点からも交通網の整備が進むと良い。
- 和牛と比較して酪農への支援は不十分だと思うことがある。和牛の場合は増頭した時に国の支援があるが乳牛はない。
- 農業の6次化に取り組んでいる。移動販売をしているが、小林だけでは集客が少ないので都城や宮崎まで出向いている。小林も都城のまちなか広場のような屋根付きの全天候型対応の施設があると良い。小林駅前の広場が活用できると一番良い。
- 県庁の敷地内でも以前移動販売ができていた。今は物産館の前だけになっているが、職員もお客さんとしてもっと気軽に買いに来られるよう敷地内での販売を再開してほしい。
- 商工会議所青年部全体に言えることだが、青年部の会員数が減っている。跡継ぎがいない、人手不足である。県で事業承継の制度などもたくさん用意していると思うが、周知があまりうまくいっていないように思う。商工会である我々の努力不足なところもあるが、もう少し県の方でもサービスの周知をしてほしい。
- 人口減少の問題がすぐには解決できない中、DXの活用が必要である。他県のDXでの問題解決事例を教えてほしい。
- 国道に排水ができないため、工場や店舗の新設が難しくなるケースがある。田舎の市町村になればなるほどこの問題が出やすい。企業誘致の観点からも何か対応策があれば良い。
- 国の空き家対策に係る報酬手数料の見直しが行われ、手数料が高くなったことにより、業者の売買が活発になる。手数料が増えた分、買い手に対して県の補助などがあれば隣県より宮崎が選ばれる確率が上がるのではないかと思う。
- 出の山公園でレンタルボートの貸し出しなどを行なっているが、ここ2、3年、夏場に池の藻が大量発生し、学習や景観の問題が起きている。他の地域の自然公園などで同様の問題があり対策などが講じられていれば教えてほしい。また、自然公園を活かした観光推進について今後どのように考えているか教えてほしい。
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- 本日は、皆さまからのご意見やご要望を総括的に伺ったが、小林は本当に経済界が活発に活動していて大変心強い。
- 自然環境を活かして観光面で活用していくという観点は小林の強みになると思う。
- 小林は2027年の国民スポーツ大会でカヌー、ローイングなどの開催地になっている。小野湖でのウォータースポーツは確実に将来にもつながっていくと思うので楽しみである。
- いただいた意見をしっかり受け止めて取り組んでいきたい。これからもいろいろな場面で遠慮なくご指摘をいただき、県政や小林のさらなる発展に力を貸していただきたい。
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