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掲載開始日:2021年4月1日更新日:2021年4月1日
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かんしょ、さといも、キャベツ、ほうれんそう、にんじん等の露地畑作主要品目について、安定生産、持続的生産、畑かん利用、省力化などの技術開発に取り組んでいます。
本県さといもの普通栽培中生種は北諸県地び西諸県地域を中心に栽培されています。出荷は10月からとなるため、早熟栽培用品種「石川早生」では水晶芋等の発生により品質が低下します。そこで、県内で栽培されている「大和」から特性の優れる「大和39」を選抜しました。本系統は芋の肥大が早く9月出荷が可能な上、孫芋中心の収穫となり、3.7t/10a程度の高収量が期待できます。
「大和39」の塊茎
一般的にかんしょの種いも生産では、5月下旬以降に植付けし、11月に収穫することが多いですが、マルチ栽培のため高地温になりやすく、いもの形状の乱れが多くなるなどの欠点があります。
そこで、主要品種「コガネセンガン」及び「宮崎紅」において、植付け前の除草剤施用や畦立て時期の適正化により、晩植無マルチ栽培で問題がないことを明らかにしました。
2008年に寒玉キャベツの端境期出荷技術として、新作型「晩秋まき春どり」を開発しました。西・北諸県地域では、11月上旬に播種し12月に定植することで4月下旬から5月中旬まで収穫できますが、適応品種の拡大が望まれていました。「TCA-489」は、マルチ栽培で抽苔せずに収穫でき、球形質も平型で加工・業務用に適しています。
抽台した春どりキャベツ(左)と花芽未分化の「TCA-489」(右)
これまで、加工・業務用ほうれんそうは作型毎の品種の選定、積算温度を使用した葉長の生育診断技術、機械除草技術等、機械化体系による生産技術開発に取り組んできました。今後はドローンを活用した生育予測技術の確立や栽培環境がルテインなどの機能成分含量に及ぼす影響について検討を進めていきます。
かんしょやたまねぎの直播栽培など新しい技術の普及に向けた実証等に取組み、産地が抱える担い手、労働力不足に対応する技術開発を進めます。
ロボットトラクターや直進アシスト機能付きトラクターの導入が進みつつありますが、圃場の土壌水分条件や牽引するアタッチの種類によってはGPS機能を十分に発揮できないことがあります。
このため土壌水分含量や畝立てや播種などの作業別に問題点を明らかにし、操作方法等の可視化により現場へ普及をすすめていきます。
宮崎県総合農業試験場
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