家庭における卵の衛生的な取扱いについて
卵による食中毒の原因菌のひとつにサルモネラ属菌が挙げられますが、発生件数は少ないものの、中には重症化し死亡する事例も報告されています。
今回は、卵に関する家庭における食中毒予防のポイントをご紹介しますので、衛生管理をしっかりと守って食中毒を予防しましょう。
サルモネラ食中毒とは
症状、潜伏期間及び感染源・原因食品
- 主な症状:激しい腹痛、下痢、発熱、嘔吐。長期にわたり保菌者となることもある。
- 潜伏時間:6~72時間
- 感染源・原因食品:卵、またはその加工品、食肉、うなぎ、すっぽんなど。
食中毒予防のポイント
ポイント1卵の購入
- 卵はきれいで、ひび割れのない、新鮮なものを購入しましょう。
[参考]卵を割って平らな皿の上に中身を置いた時、古い卵ほど、黄身は平らになり、白身は薄くなります。
- 産卵日や包装日、期限表示がなされている卵は、日付を確認して購入しましょう。
ポイント2家庭等での保存
- 持ち帰った卵は、すぐに冷蔵庫に入れましょう。
- 持ち帰ってから、期限表示のある卵は期限表示内に消費しましょう。また、期限表示のない卵は、産卵日や包装日等を確認してできるだけ早く消費するよう心がけましょう。
- 卵の保管は、10度以下がめやすです。温度計を使って温度を計ると、より庫内温度の管理が正確になります。
ポイント3下準備
- 卵や卵の中身を入れたボウル等の容器・器具は使用した後よく洗うようにしましょう。洗ってから、熱湯をかけると安心です。
- 卵は、料理に使う分だけ、使う直前に割って、すぐに調理しましょう。決して割ったままの状態で放置してはいけません。割卵した卵を放置すると、細菌が増殖しやすくなり、危険です。
ポイント4調理
- カスタードの加熱のめやすは、金属製のスプーンでかき回した時、スプーンにカスタードの薄い膜がつくまでです。
- ゆで卵は、沸騰水で5分間以上加熱しましょう。
- 自家製マヨネーズは材料の卵を加熱しないで使用することから、これまでいくつかの事故例が報告されています。従って、自家製マヨネーズを作る場合は、ひび割れ卵(殻にひびのある卵)は使用せず、作ったらすぐに使い切るようにしましょう。
- 料理を途中でやめてそのまま室温に放置すると、細菌が食品についたり、増えたりします。途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう。再び、調理をするときは、もう一度、十分加熱しましょう。
- 十分加熱して調理する場合のめやすは、卵黄も白身もかたくなるまで加熱することです。
ポイント5食事
- 卵かけご飯、すき焼き、納豆など、卵を生で食べる場合には、破卵(殻が割れている卵)やひび割れ卵(殻にひびがある卵)は使用せず、食べる直前に殻を割るようにしましょう。
- 温かく食べる料理は、常に温かく、冷やして食べる料理は、常に冷たくしておきましょう。めやすは、温かい料理は、65度以上、冷やして食べる料理は10度以下です。
- 十分に加熱しない卵料理は、調理が始まってから2時間以内に食べましょう。また、加熱調理を行なった卵料理についても、なるべくはやく消費しましょう。
- 老人、2歳以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している人等に対しては、生卵(うずらの卵を含む。)は避け、できる限り、十分加熱した卵料理を提供してください。
ポイント6残った食品
- 残った卵料理は、時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。