平成29年度行財政改革懇談会議事概要
平成29年度宮崎県行財政改革懇談会の概要については、以下のとおりです。
1日時
- 平成29年7月10日(月曜)
- 午後1時30分から午後3時まで
2場所
県庁講堂(本館2階)
3出席者
(1)委員
蒲生委員、黒木委員、髙妻委員、佐藤委員、四方委員、曽山委員、土田委員、中島委員、馬場委員、吉田委員(五十音順)
(2)県
知事、総務部長、総務部次長(総務・職員担当)、総務部次長(財務・市町村担当)、人事課長、行政経営課長、財政課長等
4議題
- (1)「みやざき行財政改革プラン(第二期)」に基づく行財政改革の取組について
- (2)特徴的な行財政改革の取組
- ワーク・ライフ・バランス推進の取組
- 情報化・ICT利活用の取組
【配付資料】
5議事概要
事務局からみやざき行財政改革プラン(第二期)の概要及び平成28年度における行財政改革の取組状況について説明を行い、各委員から以下のような意見をいただいた。
- (委員)
高齢化が進み、これからは介護を必要とする方が増える。介護と仕事との両立支援の仕組みとして、早出遅出勤務制度などを説明していただいたが、勤務時間については他にも支援の仕組みがあって良いのではないかと感じた。
- (委員)
行政改革の中で、コストが高いのは人件費である。例えば、消防など危機管理に要する費用は、危機が発生しない時にはある意味では無駄かもしれないが、危機管理はお金に換えられない大事なものであり、これに要する費用は吸収していかなければならない。
- 持続可能な財政という点については、県や県内市町村は地方交付税に依存せざるを得ない状況である。地方交付税の額は面積や人口等に基づいて算定されるが、田舎から人口が減っていく中で、地方交付税も減ってしまう。これまでの地方交付税制度のままでは立ち行かなくなるので、県も市町村と一緒になって、国への働きかけなど考えていただきたい。
- (委員)
ワーク・ライフ・バランス推進の取組について説明があったが、早出遅出勤務制度の利用者数がまだ少ないと思う。行財政改革プランの数値目標の中でも、「男性職員の育児休業取得率」が、目標の13.0%に対して実績が3%台ということで、目標達成が厳しい状況にある。若手職員が休暇を取るには上司の協力が不可欠であり、職場の雰囲気づくりが重要である。
- (委員)
働く人への支援制度について、子育てはかなり進んできたが、介護については、まだまだ進んでいない。介護離職や、介護との両立を懸念して昇進を断るケース等もあるので、介護と仕事の両立について社会全体の認知度を高めていくことが必要である。
- (委員)
早出遅出勤務制度については、例えば一週間の中で勤務時間を調整できるようにする等、フレキシブルさがもっとあって良いのではないか。また、対象者についても、小学校就学前となっているが、小学校就学後も利用できるようになると良いのではないか。
- 「男性職員の育児休業取得率」については、目標が13.0%となっているが、実績は3.9%と低い。民間でも3%台なので、実現可能な目標設定にした方が良い。男性にも子育てに関わってもらうことを目的としているのであれば、単に「育児休暇を取得したか」という点だけにとらわれるべきではない。短期間の休暇もカウントするようにする等、取組の効果についてはあらためて検証した方が良いのではないか。
- (座長)
県が率先してこのような制度を導入するのは素晴らしいが、中小企業ではこのような制度を整備するのは難しい。県には率先して進めて欲しいと思う反面、民間とかけ離れていくことへの懸念も抱いてしまう。知事はどう思うか。
- (知事)
ワーク・ライフ・バランスに関しては、国を挙げて働き方改革に取り組んでいるところであり、県としても、民間にも拡げていく率先垂範という意識で、取組を進めていきたい。
- なお、さきほどの「男性職員の育児休業取得率」の目標の13.0%という数字は、国がそのような高い目標を設定しており、それに合わせたものである。県としても、しっかり取り組んでいきたい。
- (委員)
「ひなたGIS」については、大変感動した。しかし、私は情報化には疎いので、取り残されないかといつも不安に思っている。
- 休暇取得の促進は良いことだが、問い合わせ等に対して「担当者がいないので分かりません」ということはないのか。また、児童(小学校低学年)の子育ても結構大変であり、こちらへの対応も必要でないか。
- (事務局)
長期で育児休業を取得する場合は、代替の職員を雇用し、その方に仕事を引き継いでもらう。また、担当の中でカバーしたり、担当を超えて業務分担を変えたりして対応している。
- また、児童を抱える職員向けの制度としては、児童が病気になった場合に、休暇を取得できる制度などがあり、「子育て・女性応援プラン」の中で休暇制度等を紹介し職場での活用を進めている。さらには、女性職員サポート制度により育児の先輩職員が相談にのる体制も整備している。
- (座長)
グループウェアは良いものだと思うが、どのようなものか説明してほしい。
- (事務局)
グループウェアは、職員が、情報共有やスケジュール管理を行うためのツールである。さらに、リモートアクセスという機能を追加しており、庁外からも職員がアクセスできるようにしたところである。現在、300名ほどが利用している。育児休暇を取得している職員にも利用してもらっている。
- (委員)
「受託した業務についての協議をネット回線でできればよい」と10年前から県職員と話をしていたが、いまだに実現していない。移動時間やコストの削減等を考えると、ぜひ実現してほしい。
- また、自治体のホームページの新着情報の数が多すぎるということが起こっている。キーワードで絞ったり、見る人の特性に合わせて必要な情報が出てくるようにしたりすることはできないか。
- ビッグデータについては、国土交通省が、自動車メーカーと連携し、カーナビの通行データの共有を図っているそうであるが、県でも民間と、有事の際の情報共有を進めてはどうか。
- (委員)
「ひなたGIS」については、民間においては市場調査などの手段として活用できるのではないかと感じた。
- 人手不足が深刻になっており、飲食店等ではアルバイトが集まりにくい状況になっている。今後、介護離職等のためにさらに人手不足が深刻化していく懸念があることから、ワーク・ライフ・バランスの取組が重要になっていると理解している。
- 時間外勤務を縮減するためには、
- 「結果を出して、定時で帰る」という意識を本人がしっかり持つ
- 人間がやらなくていい仕事は、ICTの活用等により機械化する
- 業務を外注する
- 勉強会等により、庁内や組織内でのコミュニケーション能力、プレゼンテーション力を向上させ、仕事をてきぱきと進められるようにする
- の4つの取組が重要と考える。
- (委員)
テレビ会議システムについては、経費削減等の観点から、素晴らしいものだと思う。
- 事業所における子育て支援については、制度としては整備していなくても、あうんの呼吸で、例えば職員の子どもが参観日である場合等には、参加できるように融通を利かしている場合もあると思う。
- (座長)
各委員からのICT活用に関する御意見に対して、事務局から御発言をお願いしたい。
- (事務局)
テレビ会議システムは、現時点では庁内だけで利用できるものであるが、次のステップとして、外部の方との協議にも使えるものを考えていかなければならないと思っている。
- IoTやビッグデータなど民間が持つデータの活用も進めなければならない。国の方では昨年12月に官民データ活用推進基本法を制定し、今年5月に推進計画を作ったところである。本県としても、本県の特性を生かした計画を今後作っていきたい。
- (委員)
「ひなたGIS」はすばらしいシステムだと思うが、情報機器が苦手な高齢者にもやさしく使えるようにしてもらえればありがたい。宮崎県の観光資源など特色あるデータを載せていくと、移住、定住の促進に繋がっていくと思う。
- (座長)
県におかれては、各委員からの意見を踏まえ、今後の行財政改革の一層の推進に取り組んでいただくようお願いする。
- (知事)
貴重な御意見をいただき、お礼申し上げる。いろいろなヒントをいただけたと思う。
- 「ひなたGIS」については、宮崎県職員が素晴らしいものを作ったと思っている。庁内でも今後さらに使いこなしていかなければならないが、皆様方からも活用方法についてはぜひ御提案をいただきたい。ICTの利活用は行財政改革に資するものであり、活用を進めていきたい。