掲載開始日:2018年7月13日更新日:2018年7月13日
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このパンフレットは、実際に「収用」に直面することとなった皆さまに向け、収用委員会の役割や土地収用制度の内容・手続についてご理解いただくために作成いたしました。
ご参考になれば幸いです。
社会や経済が円滑に活動を続けていくためには、さまざまな公益事業が実施されることが不可欠であり、そのためには多くの場合新たな事業用地が必要となりますが、任意で取得できない場合には土地所有者の意思に反してでも強制的に取得することを可能にする土地収用制度が必要とされます。
日本国憲法第29条第1項は「財産権は、これを侵してはならない。」と定め、個人の財産権を保障する一方で、同条第3項は「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。」と定めています。
このことを具体的・手続的に定めたものが「土地収用法」です。
起業者(公共事業の実施者)は、土地等を収用し、又は使用しようとするときには、土地収用法の定めに従い、「事業の認定」を受けた上で収用委員会に対して「裁決の申請」をしなければなりません。
収用委員会では、起業者から裁決申請がなされると、公正中立な立場で起業者・土地所有者等の主張を聴くための審理や調査を行い、収用する土地の区域や補償金の額などについて判断し、裁決します。
収用委員会は、地方自治法および土地収用法に基づいて各都道府県に置かれている行政委員会で、知事から独立し自らの判断と責任において職権を行使する機関です。
収用委員会は、法律、経済又は行政に関して優れた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者の中から、議会の同意を得て知事が任命した7名の委員で構成されています。
収用委員会は、土地の収用又は使用の裁決申請に対して、起業者と土地所有者や関係人との間に立って、損失の補償額などを中立の立場で公正に審理し、裁決という形で判断するのが主な役目です。
このため、収用委員会には、審理や調査について様々な権限が与えられています。
土地収用法は、公共の利益となる事業に必要とされる土地等について、公共の利益増進と財産権の補償との調整を図ることによって国土の適正かつ合理的な利用に寄与することを目的としています。
これを実現するために収用又は使用される財産に対する損失補償を決定することは、収用委員会の最も重要な任務です。
損失の補償とは、公共の利益となる事業により被収用者が負わされることになる財産上の損失を、社会の全員から徴収した税金で補償することにより、公的負担の平等の回復を図ることです。収用又は使用の裁決(権利取得裁決及び明渡裁決)では、土地収用法の補償に関する規定に基づき補償金額が決まります。
損失の補償のうち主なものは、「土地等に関する補償」、「残地補償」、「移転料の補償」、「通常受ける損失の補償」です。権利取得裁決では、「土地等に関する補償」、「残地補償」を、明渡裁決では「移転料の補償」、「通常受ける損失の補償」を決定します。
<注意>損失補償の内容については、「用地補償のあらまし」をご覧ください。
損失の補償は、原則として金銭で補償することになっています。例外として替地による補償、移転の代行による補償などが認められる場合もあります。
また、収用委員会は、損失補償について起業者、土地所有者および関係人等が申し立てた範囲で裁決しなければなりません。これを当事者主義といいます。
例えば、土地所有者及び関係人等の主張する補償額が起業者の見積額より大きい場合、起業者の見積りを下限とし、土地所有者及び関係人等の主張する補償額を上限として裁決します。
収用委員会の裁決のうち、補償金の額について不服がある場合は、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内(土地収用法第94条第8項及び第124条第2項による裁決の場合は60日以内)に裁判所へ訴えを提起することができます(土地収用法第133条第2項及び第3項)。
この場合、訴えを提起する者が土地所有者又は関係人であるときは、起業者を被告としなければなりません。訴えを提起する者が起業者であるときは、土地所有者または関係人が被告となります。
損失の補償についての不服は、この当事者訴訟によってのみ争うことができ、審査請求や抗告訴訟(裁決取消訴訟)によって争うことはできません。
損失補償金の額以外について収用委員会の裁決に不服がある場合は、裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から起算して30日以内に、国土交通大臣に対して審査請求をすることができます。
審査請求の窓口は、国土交通省総合政策局総務課土地収用管理室です。
収用委員会の裁決のうち損失の補償以外についての不服がある場合は、裁決書の正本の送達を受けた日から3か月以内に、宮崎県(代表:宮崎県収用委員会)を被告として、裁判所に裁決の取消の訴えを提起することができます。
抗告訴訟は審査請求を経なくても直接提起できます。
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県土整備部用地対策課
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