令和4年度宮崎県蚊媒介感染症対策会議の概要について
本県では、蚊媒介感染症の対策を促進することを目的として、「蚊媒介感染症に関する感染症予防指針」(平成27年厚生労働省告示第260号)に基づき、宮崎県蚊媒介感染症対策会議(以下、「対策会議」という。)を設置しており、平成27年度以降、対策会議を開催し、本県の蚊媒介感染症対策の検討等について御協議いただいています。
対策会議は、「宮崎県蚊媒介感染症対策会議設置要綱」(平成27年11月2日感染症対策課定め)第6条第2項において、原則として年1回開催することとなっておりますが、昨年度に引き続き、今年度の対策会議についても書面開催としました。
1.開催日
令和5年2月2日
2.宮崎県蚊媒介感染症対策会議委員
峰松俊夫委員、川崎益央委員、岡林環樹委員、濵砂澄子委員、
園田千草委員、丸田啓司委員、甲斐国雄委員、上谷かおり委員
3.議題
- 蚊媒介感染症の概要について
- 令和4年度蚊媒介感染症対策の実績について
- 令和5年度蚊媒介感染症対策案について
4.資料
- 蚊媒介感染症の概要について(PDF:134KB)
- 令和4年度蚊媒介感染症対策の実績について(PDF:242KB)
- 令和5年度蚊媒介感染症対策案について(PDF:115KB)
- (参考)宮崎県蚊媒介感染症対策行動計画(PDF:1,269KB)
- (参考)宮崎県蚊のモニタリング調査実施要領(PDF:58KB)
5.委員からの意見
右矢印(⇒)部分が事務局の対応案を示しています。
- 宮崎県蚊媒介感染症対策行動計画を読ませていただいた。序論等に蚊媒介感染症が列記されていますが、糸状虫症(フィラリア症)の記載がないのはなぜか。海外にはフィラリア症に罹患している方もまだ少なからずいらっしゃる。また、イヌ糸状虫も蚊の媒介によりヒトにディロフィラリア症(肺動脈肉芽腫等)の症状を起こすことがある。感染症と奇生虫症は学問的には分けて考えられるべきかもだが、蚊媒介という括りを考慮する上で、寄生虫症が記載されていないのは不思議に感じる。
⇒県蚊媒介感染症対策行動計画については、国の蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針に基づき策定しております。国の指針、県の行動計画は、感染症法に規定される指定感染症に関する各種方針や取組を示すことになるため、糸状虫症に関しては、記載しておりません。御理解御協力をお願いします。
- ダニ媒介感染症と合わせた啓発資材を作製したことは評価したい。その配布先として、観光施設、一般商業施設、農業関係施設も考慮してはいかがだろうか。行動性が高い方の方が蚊やダニの被害を受けやすいので、医療施設等に配布するよりも、むしろ適当なのではと考えている。
⇒今年度は、医療機関より啓発資材(ポスター)の配付希望が複数寄せられたことから、医療機関への配付を中心とさせていただきました。被害を受ける可能性が高い方が利用する施設や所属する団体への配付等について、次年度以降に検討、実施してまいります。
- 新型コロナウイルス感染症拡大により定点モニタリングが実行できなかったことは残念だが、コロナ対策の実情も十分ほど理解している。研修会についても、コロナ対策で多忙な状況だったのも理解している。
時間の余裕がある時に確認できるように、ビデオ研修記録などが残せれば良いのではないかと思えた。
⇒モニタリング調査実施者が調査技法等について、見直しや学習ができるよう、次年度以降研修映像を事後に共有する等工夫してまいります。
- 定点モニタリングが再開されることを望みたい。その際の蚊の捕獲について考慮して欲しいことは以下のとおり。
1)蚊の行動しやすい時間帯が記されていますが、気温にも左右されがちであること(ヒトスジシマカが活動的になるのは気温25〜30度)
2)蚊は昆虫の中では飛翔能力が低いため、雨天や風が強い日は飛翔個体が少なくなること。
3)荒天時は飛翔せずに空腹となり、雨上がりに行動個体が増えること。
4)蚊の種類によって、周囲の水辺の状況や行動時間帯や差があること。
これらを意識して、捕獲計画、日時の検討お願いしたいと考える。
- 人囮法は、短時間で多数のサンプルを捕獲できるメリットがありますが、捕獲者が感染する可能性があることが最大の欠点だと思う。場所によってはトラップ法の併用や、幼虫(ボウフラ)調査は考えられていないのだろうか。
⇒次年度以降は、海外からの来県者の増加等も予想されますので、モニタリング調査を再開する予定としております。いただいた意見を参考に、モニタリング調査の実施時期等について検討してまいります。調査方法につきましても、調査員の安全についても留意しながら実施できるよう、関係部署と検討し、実施してまいります。
- 黄熱の予防接種においては国際予防接種証明書の発行が必要なことから、現在のところ、全国の検疫所の他、限られた医療施設でのみ、その接種が可能となっている。概要とはいえ、宮崎県内で通常は黄熱の予防接種が実施されていないことを記していた方が良いと考える。
⇒今後の各種資料作成や県民への周知の際には、記載する等してまいります。
- 他の感染症対策関係の会議とまとめてはどうか。蚊媒介感染症のみに特化する必要性があるかどうかを検討した方がよいのではと思う。
⇒本対策会議は、「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針(平成27年厚生労働省告示第260号)に基づき設置しております。本県における蚊媒介感染症対策推進のため、今後とも委員の皆さまの御理解、御協力をいただければと存じます。