新型コロナウイルス感染症に係る中和抗体薬(ロナプリーブ、ゼビュディ)について
SARS-CoV-2の発症抑制目的での投与に限って、厚生労働省から供給される「エバシェルド」については、「新型コロナウイルス感染症の中和抗体薬(エバシェルド)について」を御覧ください。
ロナプリーブ(一般名:カシリビマブ/イムデビマブ)について
ロナプリーブは、現在、安定的な供給が難しいことから、一般流通は行われておらず、当面の間、厚生労働省が所有した上で、投与が必要な患者が発生した医療機関からの依頼に基づき薬剤が配分されることとなっています。
配分を受けることができる医療機関
効能・効果等
- ロナプリーブの効能・効果は「SARS-CoV-2による感染症及びその発症抑制」であり、添付文書において「SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有し、酸素投与を要しない患者を対象に投与を行うこと」などとされています。
- 重症化リスク因子については、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第9.0版」(令和5年2月10日)等を参照されてください。
- 発症抑制効果について、SARS-CoV-2による感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤はワクチンにおい変わるものではないことに留意し、投与対象者については、添付文書に記載されているとおり、以下の条件すべてに該当する者となります。
- SARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者等の濃厚接触者、又は無症状のSARS-CoV-2病原体保有者
- 原則として、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する者
- SARS-CoV-2による感染症に対するワクチン接種歴を有しない者、またはワクチン接種歴を有する場合でその効果が不十分と考えられる者
- 「濃厚接触者」とは、同居家族、共同生活者に加え、高齢者施設や医療機関(特に免疫抑制剤を多く使用する診療科)などにおいてクラスターが発生した場合など、確認された感染者と日常活を常時共にする者をいいます。
- 「SARS-CoV-2による感染症に対するワクチン接種歴を有しない者、又はワクチン接種歴を有する場合でその効果が不十分と考えられ者」とは、免疫抑制状態[悪性腫瘍治療、骨髄又は臓器移植、原発免疫不全症候群、コントロール不良のHIV、AIDS、鎌状赤血球貧血、サラセミア、末期腎不全、肝硬変(非代償性)、半年以内の放射線治療、免疫抑制剤長期投与など]の者をいいます。
- SARS-CoV-2による感染症の治療に用いる場合には、点滴静注による投与が基本となりますが、点滴静注が実施できずやむを得ない場合にのみ皮下注射による投与を検討してください。発症抑制に用いる場合には、点滴静注又は皮下注射による投与を検討してください。
本剤のオミクロン株への有効性
(参考)ロナプリーブ添付文書
本剤の中和活性が低いSARS-CoV-2変異株に対しては本剤の有効性が期待できない可能性があるため、SARS-CoV-2の最新のガイドライン等も参考に、本剤投与の適切性を検討すること。
ロナプリーブ登録センター
在庫配置について
- 集中して患者を受け入れ、直ちに本剤を投与する必要がある患者が発生し場合に、確実に対応できるよう、都道府県が選定した医療機関に対し、あらかじめ一定の在庫を配置することができます。ただし、供給量にも限りがあることから、在庫可能な数量は、1医療機関当たり国の指定する範囲内での在庫数となりますので、御了承ください。
<在庫配置申請フォーム>
高齢者施設での使用について
- 登録センターに登録した医療施設による高齢者への往診や対診の際、保有する本剤の在庫を高齢者施設で活用することが可能です。
- 高齢者施設においては、以下のような施設による都度発注が可能です。その際、あらかじめ施設登録をする必要があります。
- 介護療養型医施設については、医療法上の病院又は診療所であり、また介護医療院、介護老人保健施設については医療法上の医提供施設であることから、これらについては「ロナプリーブ登録センター」へ施設登録をすることが可能です。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)については、当該施設に設けられている診療所/医務室が施設登録をすること可能です。
- なお、登録にあたっては施設要件を満たしていることが必要です。施設要件については、厚生労働省の事務連絡「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(別紙及び質疑応答集の修正)」(PDF:857KB)を御確認ください(質疑応答集Q11:事務連絡13ページ以降)。
<登録希望申請フォーム>
その他
- 当面の間は「ロナプリーブ注射液セット1332」が対象医療機関に配分されます。
- 「ロナプリーブ注射液セット1332」には、2回投与分の溶液が含まれています。1回分の溶液を抜き取った後のバイアルは、室温(25℃まで)最大16時間、又は2~8℃で最大48時間保存可能とされています。
- 所定の温度で保存されている場合には、当該最大保存期間内に、2症例目投与分として使用することが可能ですので、当該バイアルについて、適切に管理いただくよう御協力をお願いします。
- 当該所定の温度で最大保存期間を超えた場合は、使用せず廃棄していだくようお願いします。
- なお、配分依頼時には使用予定のなかった2症例目に使用した場合及び使用せずに廃棄した場合は、必ずロナプリーブ登録センターへ登録してください。
ゼビュディ(一般名:ソトロビマブ)について
ゼビュディは、現状、安定的な供給が難しいことから、一般流通は行われておらず、当面の間、厚生労働省が所有した上で、投与が必要な患者が発生した医療機関からの依頼に基づき薬剤が配分(無償で譲渡)されることとなっています。
配分を受けることができる医療機関
効能・効果等
本剤のオミクロン株への有効性
(参考)ゼビュディ添付文書
本剤の中和活性が低いSARS-CoV-2変異株に対しては本剤の有効性が期待できない可能性があるため、SARS-CoV-2の最新の流行株の情報を踏まえ、最新のガイドライン等も参考に、本剤投与御適切性を検討すること。
ゼビュディ登録センター
- 本剤の配分を受けるためには、「ゼビュディ登録センター」への登録が必要です。
- 具体的な登録方法、依頼方法については、製造販売業者からの案内又はグラクソ・スミスクライン株式会社ホームページ(外部サイトへリンク)を御確認いただくか、ゼビュディ専用ダイヤル(電話番号:0120-126-993、受付時間:年中無休、午前9時から午後5時45分まで)にお問い合わせください。
在庫配置について
- 集中して患者を受け入れ、直ちに本剤を投与する必要がある患者が発生し場合に、確実に対応できるよう、都道府県が選定した医療機関に対し、あらかじめ一定の在庫を配置することができます。ただし、供給量にも限りがあることから、在庫可能な数量は、1医療機関当たり国の指定する範囲内での在庫数となりますので、御了承ください。
<在庫配置申請フォーム>
高齢者施設での使用について
- 登録した医療施設による高齢者施設への往診や対診の際に、医療施設の保有する本剤の在庫を高齢者施設で活用することが可能です。高齢者施設においては、以下の方法で活用することができます。
- 高齢者施設においては、以下のような施設による都度発注が可能です。その際、あらかじめ施設登録をする必要があります。
- 介護療養型医施設については、医療法上の病院又は診療所であり、また介護医療院、介護老人保健施設については医療法上の医提供施設であることから、これらについては「ゼビュディ登録センター」へ施設登録をすることが可能です。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)については、当該施設に設けられている診療所/医務室が施設登録をすること可能です。
- なお、登録にあたっては施設要件を満たしていることが必要です。施設要件については、厚生労働省の事務連絡「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬の医療機関への配分について(別紙及び質疑応答集の修正)」(PDF:586KB)を御確認ください(質疑応答集Q11:事務連絡28ページ以降)
<登録希望申請フォーム>