掲載開始日:2021年3月18日更新日:2025年2月17日
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駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域を「南海トラフ」といいます。
この南海トラフ沿いのプレート境界を震源とする大規模な地震が「南海トラフ地震」です。南海トラフ地震は、おおむね100~150年間隔で繰り返し発生しています。最近発生した昭和東南海地震(1944年)及び昭和南海地震(1946年)から約80年が経過しており、次の大規模地震の切迫性が高まってきています。
南海トラフ地震が発生した場合には、東海から九州にかけての広い範囲に、地震の揺れや津波による甚大な被害をもたらす恐れがあります。
県の調査では、科学的に想定し得る最大クラスの南海トラフ地震が発生した場合、県内全域は強い揺れに襲われ、13市町が最大震度7、7市町村で最大震度6強、残りの6町村でも最大震度6弱になると想定されています。
最大震度 | 市町村 |
---|---|
震度7 | 宮崎市、延岡市、日南市、日向市、串間市、西都市、国富町、高鍋町、新富町、木城町、川南町、都農町、門川町 |
震度6強 | 都城市、小林市、えびの市、三股町、綾町、西米良村、美郷町 |
震度6弱 | 高原町、諸塚村、椎葉村、高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町 |
震度階級 | 人の体感・行動 | 屋内の状況 | 耐震性の低い木造建物(住宅)の状況 |
---|---|---|---|
7 |
立っていることができず、はわないと動くことができない。 揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。 |
固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。 | 傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。 |
6強 |
固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。 |
壁などに大きなひび割れ・亀裂が入るものが多くなる。 傾くものや、倒れるものが多くなる。 |
|
6弱 |
立っていることが困難になる。 |
固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。 ドアが開かなくなることがある。 |
壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。 壁などに大きなひび割れ・亀裂が入ることがある。 瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。 |
5強 |
大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。 |
棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。 テレビが台から落ちることがある。 固定していない家具が倒れることがある。 |
壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。 |
県の調査では、最大クラスの地震が発生すると、本県には最短14分で津波が到達、また本県到達する津波高の最大値は約17メートルと想定されています。それにより、沿岸部では広範囲が浸水することになります。
市町 |
津波高 (補足1) |
津波到達時間 (補足2) |
市町 |
津波高 (補足1) |
津波到達時間 (補足2) |
||||||
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延岡市 | 14m | 17分 | 高鍋町 | 11m | 20分 | ||||||
門川町 | 12m | 16分 | 新富町 | 10m | 21分 | ||||||
日向市 | 15m | 17分 | 宮崎市 | 16m | 18分 | ||||||
都農町 | 15m | 20分 | 日南市 | 14m | 14分 | ||||||
川南町 | 13m | 20分 | 串間市 | 17m | 15分 |
(補足1)津波高は、各市町における最大の推計値です。
(補足2)津波到達時間は、各市町における最短の推計値です。
陸上のそれぞれの場所の津波のリスクは、浸水深で確認しましょう!
浸水深が、いろいろな条件を加味した最も分かりやすい表現です。
さらに、最大クラスの地震や津波の発生により、本県では甚大な被害が発生することが想定されています。
人的被害(死者数) | 約15,000人 |
---|---|
建物被害(全壊・焼失棟数) | 約80,000棟 |
避難者数(補足3) | 約370,000人 |
上水道(断水人ロ)(補足4) | 約1,034,000人 |
電力(停電軒数)(補足4) | 約591,000軒 |
通信(固定電話不通回線数)(補足4) | 約311,000回線 |
(補足3)避難者数は、被災1週間後の推計値です。
(補足4)上水道、電力及び通信の被害数は、被災直後の推計値です。
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大規模地震が発生した時には、まず落ちついて、自分の身を守ることが大切です。地震発生時の状況に応じた、身の安全を確保できる行動を覚えておきましょう。
周囲の状況に応じて、慌てずにまず自分の身を守る。
基本の安全確保行動:まず低く!、頭を守り!、動かない!
海岸近くにいるときに、強い揺れを感じたり、津波警報・津波注意報を聞いたりしたときはすぐにその場所から離れ、高台などに避難しましょう。
津波から身を守るには、唯一「逃げる」しかありません。
津波の危険がある場合には、とにかく高い場所に避難しましょう。
津波による災害の発生が予想される場合には、地震発生後、約3分で大津波警報、津波警報または津波注意報が発表されます。
津波警報等の種類 | 予想される津波の高さ | 想定される被害と取るべき行動 | |
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数値での発表 |
定性表現による発表 (巨大地震の場合) |
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大津波警報 | 10m超(10m<高さ) | 巨大 |
巨大な津波が襲い、木造家屋が全壊・流失し、人は津波による流れに巻き込まれます。 |
10m(5m<高さ≦10m) | |||
5m(3m<高さ≦5m) | |||
津波警報 | 3m(1m<高さ≦3m) | 高い |
標高の低いところでは津波が襲い、浸水被害が発生します。人は津波による流れに巻き込まれます。 |
津波注意報 | 1m(20cm<高さ≦1m) | (表記しない) | 海の中では人は速い流れに巻き込まれ、また、養殖いかだが流失し小型船舶が転覆します。 海の中にいる人はただちに海から上がって、海岸から離れてください。 注意報が解除されるまで海に入ったり海岸に近づいたりしないようにしましょう。 |
地理に詳しくない土地では、「津波避難場所」などのマークを目印に、ただちに避難してください。
こんなときには | このような行動を |
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強い地震や長い時間の揺れを感じる 津波警報が発表されたら(揺れを感じない場合も) |
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津波注意報が発表されたら(揺れを感じない場合も) |
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揺れがそれほど大きくなくても津波が起きるケースは、過去にもありました。津波の危険地域では小さな揺れでも、揺れを感じなくても、まずは避難を最優先にしましょう。
原則として、車で避難するのはやめましょう。東日本大震災の際、沿岸部各地で避難しようとする車で渋滞が発生。そのために津波にのみ込まれる被害が発生しました。
「この地域には津波はこない」などの根拠のない情報を信じずに、気象庁等の信頼性が高い情報に耳を傾けましょう。
すでに浸水がはじまってしまい、避難が困難な場合は、遠くよりも高い場所、例えば近くの高いビルなどに逃げ込みましょう。津波避難ビル・夕ワーがあればそこに避難しましょう。
災害が突然起こったとき、自分自身や家族の生命を守り、被害を最小限に抑えるためには、一人ひとりの普段の備え「自助」と、地域の人々による助け合い「共助」がとても重要です。
令和元年5月から、南海トラフ全域で地震発生の可能性が相対的に高まっている場合などに、気象庁から「南海トラフ地震臨時情報」が発表されることになりました。
詳細は、「南海トラフ地震臨時情報について」をご覧ください。
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