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掲載開始日:2021年3月18日更新日:2022年6月13日

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南海トラフ地震から身を守ろう!

このページの目次

 1.南海トラフ地震とは

南海トラフ地震とは、静岡県の駿河湾から日向灘まで延びる、南海トラフと呼ばれる海溝で、概ね100年~150年間隔で繰り返し発生してきたM8~M9クラスの大規模な地震です。

この南海トラフ地震の中でも、科学的に考えられる最大クラス(マグニチュード9クラス)のものを「南海トラフ巨大地震」といいます。発生頻度は高くありませんが、発生すると本県でも甚大な被害が想定されています。

これらの地震を「正しく恐れ」、行政、企業、地域、住民等がそれぞれの立場で防災対策に取り組んでいくことが何よりも重要です。

震源域

 2.南海トラフ巨大地震による県内の震度分布

南海トラフ巨大地震が発生すると県内全域は強い揺れに襲われ、13市町が最大震度7、7市町村で最大震度6強、残りの6町村でも最大震度6弱になると想定されています。

震度分布

宮崎県・津波及び被害の想定について
(平成25年10月)より

最大震度 市町村
震度7 宮崎市、延岡市、日南市、日向市、串間市、西都市、国富町、高鍋町、新富町、木城町、川南町、都農町、門川町
震度6強 都城市、小林市、えびの市、三股町、綾町、西米良村、美郷町
震度6弱 高原町、諸塚村、椎葉村、高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町
地震の揺れと想定される被害
震度階級 人の体感・行動 固定していない家具の状況 耐震性の低い木造建物(住宅)の状況

7

立っていることができず、はわないと動くことができない。 ほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。 傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。

6強

ほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。 傾くものや、倒れるものが多くなる。

6弱

立っていることが困難になる。 大半が移動し、倒れるものもある。 ひび割れが多くなる。倒れるものもある。

5強

物につかまらないと歩くことが難しい。 倒れることがある。 ひび割れがみられることがある。

 3.南海トラフ巨大地震による県内の津波浸水想定

東日本大震災の津波は青森県から千葉県の太平洋沿岸に甚大な被害をもたらしました。最大クラスの地震が発生すると、本県の沿岸部では津波により広範囲が浸水すると想定されています。

津波浸水予測範囲

浸水想定図南海トラフ巨大地震発生後、本県における最大津波高は約17m、最短津波到達時間は14分と想定されています。

沿岸の各市町の津波高及び津波到達時間(県想定)
市町 津波高の最大値 津波到達時間の最短値 市町 津波高の最大値 津波到達時間の最短値
延岡市 14m 17分 高鍋町 11m 20分
門川町 12m 16分 新富町 10m 21分
日向市 15m 17分 宮崎市 16m 18分
都農町 15m 20分 日南市 14m 14分
川南町 13m 20分 串間市 17m 15分

津波高は市町毎に最も高い値を表示。
注意:津波到達時間は、海岸線から沖合約30m地点において地震発生直後から水位の変化+1mになるまでの時間を表示

 4.南海トラフ巨大地震での被害想定と減災効果(県想定)

最大クラスの地震が発生すると、津波と揺れにより大きな被害が発生すると想定されています。しかし、事前に災害に備えておくことで被害を大きく減らすことができます。

被害想定
人的被害(死者数) 約15,000人
建物被害(全壊棟数) 約80,000棟
避難者(1週後) 約370,000人
ライフライン被害(地農発生直後)
上水道(断水人ロ) 約1,034,000人
電力(停電軒数) 約591,000軒
通信(固定電話不通回線数) 約311,000回線

では国が公表した南海トラフ巨大地震の想定(平成24年8月)を踏まえながら、平成25年度に県内の現状を可能な限り反映させ、地震・津波に関するより詳細な予測及び被害想定を行ない、令和元年度に見直しを行いました。上記被害想定は令和元年度に見直した被害想定を掲載しています。

主な減災対策

  • 建物の耐震化率を90%に向上(令和元年度被害想定調査時:住宅77%)
    耐震診断及び耐震補強の実施
  • 早期避難率を70%に向上(令和元年度被害想定調査時:55.5%)
    津波避難タワーや高台などへすぐに避難。

そして・・・

  • さらなる対策で人的被害(死者)を限りなくゼロへ
    〔避難場所の確保、避難訓練の実施、広域連携の推進など〕

減災効果

減災効果のグラフ

減災効果による人的被害(死者)の減少効果

 5.南海トラフ地震臨時情報

南海トラフ地震の発生の可能性が通常と比べて高まったと判断された場合、気象庁から「巨大地震警戒」、「巨大地震注意」などの「南海トラフ地震臨時情報」が発表されます。

県民の皆さんは、それぞれの情報に応じた防災対策をとりましょう。

ただし、異常な現象が発生せず、臨時情報の発表がないまま、突発的に南海トラフ地震が発生することもありますので、日頃からの備えが重要です。

臨時情報

 6.地震の揺れから身を守るための基本的な行動

大規模地震が発生した時には、まず落ちついて、自分の身を守ることが大切です。
地震発生時の状況に応じた、身の安全を確保できる行動を覚えておきましょう。

周囲の状況に応じて、慌てずにまず自分の身を守る。
基本の安全確保行動:まず低く!、頭を守り!、動かない!

家の中では

座布団などで頭を保護し、大きな家具から離れ、丈夫な机の下などに隠れる。あわてて外へ飛び出さない。もし、火事が発生した場合には可能ならば火の始末、火元から離れている場合は無理して火元に近づかないようにする。

商業施設などでは

施設の誘導係員の指示に従う。頭を保護し、揺れに備えて身構える。あわてて出口・階段などに殺到しない。ガラス製の陳列棚や吊り下がっている照明などの下から離れるようにする。

街にいるときは

ブロック塀や自動販売機など倒れてきそうなものから離れる。看板、割れた窓ガラスの破片が落下することがあるので建物の周囲から急いで離れる。

 7.津波から身を守るための基本的な行動

海岸近くにいるときに、強い揺れを感じたり、津波警報・津波注意報を聞いたりしたときはすぐにその場所から離れ、高台などに避難しましょう。

津波から身を守るには、唯一「逃げる」しかありません。
津波の危険がある場合には、とにかく高い場所に避難しましょう。

津波警報・注意報の分類と想定される被害

津波による災害の発生が予想される場合には、地震発生後、約3分で大津波警報、津波警報または津波注意報が発表されます。

各警報 予想される津波の高さ 想定される被害
数値での発表
(発表基準)
巨大地震の場合の発表
大津波警報 10m超(10m<高さ) 巨大 木造家屋が全壊・流失し、人は津波による流れに巻き込まれる。
10m(5m<高さ≦10m)
5m(3m<高さ≦5m)
津波警報 3m(1m<高さ≦3m) 高い 標高の低いところでは津波が襲い、浸水被害が発生する。人は津波による流れに巻き込まれる。
津波注意報 1m(20cm<高さ≦1m) (標記しない) 海の中では人は速い流れに巻き込まれる。養殖いかだが流失し小型船舶が転覆する。

津波の特徴

  • 深海での津波の速さはジェツト機なみ。沿岸部でも短距離選手なみのスピードです。
  • 地形によっては、津波の高さは予想以上のものになります。
  • 津波は繰り返し襲ってきます。警報、注意報が解除されるまで海岸に近づかないように。
  • 津波の前触れとして、必ず引き潮があるとは限りません。

地理に詳しくない土地では、「津波避難場所」などのマークを目印に、ただちに避難してください。

津波注意のマーク

津波注意

地震が起きた場合、津波が襲来する危険のある地域を表示しています。

津波避難場所のマーク

津波避難場所

津波に対しての安全な避難場所(高台)の情報を表示しています。

津波避難ビルのマーク

津波避難ビル

津波に対しての安全な避難場所(津波避難ビル)のi青報を表示しています。

こんなときには このような行動を

強い地震や長い時間の揺れを感じる

津波警報が発表されたら(揺れを感じない場合も)

  • 海岸にいる人は、直ちに海岸から離れ、すばやく高台か高いビルや指定の避難場所へ避難する
  • 津波の浸水が想定される地域の住民は
    直ちに避難する

津波注意報が発表されたら(揺れを感じない場合も)

  • 海水浴や磯釣りは危険なので中止し、安全な場所に移動する
  • 津波の浸水が想定される地域の住民は
    いつでも避難できるように準備する

津波から避難する4つのポイント

1.地震の揺れの程度で自ら判断しない

揺れがそれほど大きくなくても津波が起きるケースは、過去にもありました。津波の危険地域では小さな揺れでも、揺れを感じなくても、まずは避難を最優先にしましょう。

2.避難の際には車は使わない

原則として、車で避難するのはやめましょう。東日本大震災の際、沿岸部各地で避難しようとする車で渋滞が発生。そのために津波にのみ込まれる被害が発生しました。

3.津波の”俗説”を信じるな

「この地域には津波はこない」などの根拠のない情報を信じずに、気象庁等の信頼性が高い情報に耳を傾けましょう。

4.”遠く”よりも”高く”に

すでに浸水がはじまってしまい、避難が困難な場合は、遠くよりも高い場所、例えば近くの高いビルなどに逃げ込みましょう。津波避難ビル・夕ワーがあればそこに避難しましょう。

 8.南海トラフ巨大地震に対する家庭・地域での備え

災害が突然起こったとき、自分自身や家族の生命を守り、被害を最小限に抑えるためには、一人ひとりの普段の備え「自助」と、地域の人々による助け合い「共助」がとても重要です。

家庭での備え-「自助」の取組-

  • 最低3日分、推奨1週間分の食糧や飲料水などを備蓄しておく。
  • ラジオ、懐中電灯、医薬品など非常持出品を準備する。
  • テレビや夕ンス、食器棚などの家具の転倒防止をする。
  • 避難所の位置や安全な避難経路を確認しておく。
  • 災害時における家族間の連絡方法を確認しておく。
  • 地震や火事に備えた住宅保険や共済へ加入する。
  • 住宅の耐震性の点検、耐震補強を行なう。

地域での備え-「共助」の取組-

  • 自主防災組織や自治会へ加入し、避難・消火・救護訓練へ参加する。
  • 地域で消火器、担架、テント、救出用具などの防災資機材を揃えておく。
  • 高齢者や障がい者などの災害時に弱い立場にある方々への情報伝達や避難誘導を検討しておく。

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このパンフレットに関するお問い合わせ先

宮崎県総務部危機管理局危機管理課

〒880-8501
宮崎市橘通東2丁目10番1号
電話0985-26-7066
ファックス0985-26-7304
メールアドレスkiki-kikikanri@pref.miyazaki.lg.jp

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