まちづくり
まちづくり活動への取り組み
住みやすい快適なまちをつくっていくためには、地域で起こっている土地利用、環境、まち並みや景観、コミュニティなどの様々な問題を地域の一人ひとりが参加し、解決していくことが必要です。ここでは地域でどのような問題が発生しているかを整理してみました。あなたの地域ではどのような問題が起こっていますか?
1.住まいの周りの環境、地域のこと
周辺の土地利用の問題
- 最近、マンションやアパートが建ち始め日照や眺望が悪くなった。
- 住宅地なのに巨大な倉庫や、資材置き場が建ち始めた。
- 戸建て住宅地であったのに、アパートが建ち始めた。
地域の景観問題
- 海岸部に突然、ホテルが建ち、沿道からの景観が損なわれるようになった。
- まち並みにそぐわない建物が増え始めた。
- 住宅団地でブロック塀が多く町並みとして殺風景となっている。
地域の環境の問題
- 人目につかないところへの生活ゴミの投棄が目立つ。
- 倉庫や運輸会社のトラックが頻繁に通り、交通安全面で不安。
- 工場からの騒音がひどい。
- 水路や河川、海岸等へのゴミの投棄や漂着物などで汚い。
- 路上駐車が目立つ。
- 農薬の散布が近くで行われていて影響が心配。
- ペットの管理が不十分な人がいる。
地域の防犯の問題
- 空き巣や窃盗の被害が出始めている。
- 団地の決まった道路や公園に痴漢が出ている。
- 不審者が出るため、安心して外出できない。
コミュニティの問題
- 近所の挨拶がない。近所づきあいがめっきり減った。
- ゴミ捨てのルールを守らない人が増えた。
- 自治活動などの会合への出席が少ない。
- 団地の高齢化が進行し、地域の祭りや行事に若手の参加がない。
- 農村集落でも人口が減少し、子供がめっきり減って寂しくなった。など
2.まちづくり活動へのきかっけと取り組みは?
- 県内において、1に示したような問題が、起きてきている地域もあるのではないでしょうか。
- まち並み保存の活動などは、まちづくり活動の「きっかけ」となりやすいですが、工場などの進出によって、じわりじわりと生活環境の悪化が進むような地域では、早めに取り組むことが大切です。
- まちづくり活動へ取り組んでいくためには、地域で暮らす人々同士で問題や地域の方向性を共有する話し合いが必要です。
地域の問題を共有している人たちに呼びかけましょう。
自分のまちの問題や特性(良いところ)などについて、一緒に考えましょう。
- まちを見て歩き、問題点を探し、また良いところを発見しましょう。
- 上記のことを地図上に示しましょう。
活動ニュースを作成して、地域の多くの人たちに伝え、参加を呼びかけましょう。
どうしたら良くなるのか、解決していくためにはどうしたら良いのか考えましょう。
解決していくための具体的な方法、取り組みの主体、時期などを考えましょう。
3.市町村との協働による取り組み
- 土地利用の混在化、公共交通の不便さ、道路の安全性など、地域だけでは解決できない問題もありますので、市町村の担当課(都市計画課、建築課、企画課など)に相談し、一緒に取り組む体制や仕組みづくりを検討していきましょう。
- 市町村のまちづくりとして緊急性かつ重要性の高い問題であれば、まちづくりの専門家にサポートしてもらうことも考えられます。
住んでいる地域の建物の建て方のルールを知る
市町村や土木事務所へ相談
- 住宅や建物は、都市計画法や建築基準法のルールのもとで建てられています。しかし、戸建てしか建たないだろうと思っていたところに突然、3階建てのアパートが建ったりしますので、まず、ご自身が住んでいる地域の土地利用のルールを確認しておくことが大切です。
- 詳しい内容は、当該地域の市町村の都市計画や建築担当課に問い合わせてください。
- 都市計画法で都市計画区域が定められ、用途地域が定められた地域では秩序ある土地利用を図っていくため、住居系、商業系、工業系で12種類の用途に分かれており、その用途毎に容積率、建ぺい率、高さ、外壁の後退距離、敷地面積の最低限度などが定められていますので、自分の敷地や地域がどの用途にあてはまるのかを知っておきましょう。
都市計画区域が定められて用途が定められていない地域でも、容積率や建ぺい率に制限があります。
また、用途地域以外に地域の美観や環境などを保護するため、風致地区や美観地区など10地区の地域地区が定められている場合もあります。
- 都市計画区域内では基本的に幅員が4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければ、建築できません。敷地毎に日影規制、道路斜線制限、北側斜線制限などもありますので、制限内容を確認してください
道路などの定義の詳細は、市町村の建築担当課や土木事務所に問い合わせてください。
まちづくりのいろいろなルールについて
1.地区計画
地区計画とは
- 「将来、マンションがもっと増えてきそうだ」「住宅地内に工場や倉庫が進出し、住宅地の環境が悪くなりそうだ」など、将来、地域で起こりそうな問題に対し、地域毎にまちづくりのルールを定めることができる制度として「地区計画制度」があります。
ア.地区計画のメリット
- 美しいまち並みが担保され、良好な住環境を将来にわって維持していくことができます。
- 壁面後退や生垣などのルールを決めることで、緑の多い美しいまち並みを形成することができます。
- 住宅地への倉庫や工場の立地、建物の高さ制限などのルールを決めることで土地利用の混在を防ぐことができます。また、まち並みに配慮したゆとりある住宅地を形成することができます。
イ.地区計画の策定にあたって
- 一定の地区を指定するため、地区内の住民全員の理解が必要となります。
- 「地区計画」は、法的にはその地区全体に定められますので、「自分だけ基準を緩やかにしたい」といったことはできません。
- 都市計画決定の手続きが必要となり、いったん決めると長期間にわたって、そのルールを守ることが必要になります。
- 建築行為や土地利用の規制も行えるため、地権者の理解が必要です。
地区計画で定められるまちづくりのルール
- 地区施設(生活道路、公園、広場、遊歩道)の配置
- 建物の建て方やまち並みのルール(用途、容積率、建ぺい率、高さ、敷地規模、セットバック、形態・色彩、生垣化など)
- 樹林地の保全
策定のプロセス
- 通常、地区計画は下記のように住民の方が主体となって、市町村の担当課と協議しながら進めることとなります。
2.その他、協働でまち並みなどをつくっていくルールづくり
まち並みや土地利用などの自主的なルールづくりについては、地区計画以外にも下記のような制度もありますので、どの制度を採用するかについては、当該市町村の都市計画又は建築担当課に相談してください。
建築協定
- 建築基準法に基づく制度で、建築基準法で定められた基準に上乗せする形で地域の実情に基づいて建築物などに一定の制限を地域住民自ら設けることができる制度です。
- 地域住民同士で、建築協定に基づいたルールを守ることで、将来にわたって地域の住環境を保全し、魅力ある個性的なまちづくりを進めるための制度です。
- 建築協定を結ぶためには、対象区域の内の土地の所有者等の全員の合意が必要で、市町村長が認可します。
- 建築協定は、土地所有者等の合意に基づく私的契約という性格になりますので、法的な担保はなく、ルール違反者に対しては建築協定の運営委員会などからの是正要望になります。
- 広告看板など通常、借家権者が係わる場合は、借家権者が借家参加者になることができます。
緑化協定
- 「都市緑化保全法」に定められた制度で、地域住民の自主的な緑化の意志を尊重しながら地域の緑化を進めるものです。
- 都市計画区域内の一定区域又は一定区間の土地所有者全員の合意により、緑化協定区域の範囲、その植栽する場所、生垣などの詳細な事項を定めます。
- 市町村長が許可します。
コミュニティをつくる住まい方
住みやすいまち、快適なまちとしていくためには、基本的にはゴミのポイ捨てなど地域に迷惑を及ぼさないような個人のマナーが必要であり、さらに住んでいる地域の約束事を守ることが大切です。また、共同住宅では居住者が共用部分の住まい方のルールを守ることが大切です。
1.近所付き合いのルール(自治会活動等)
- まず、挨拶から人と人のつながりができます。近所の人と顔を合わせたときは挨拶をしましょう。
- ルールを守ってはじめて秩序ある共同生活ができます。ゴミの収集日、地域の清掃への参加など地域の最低限のルールは守りましょう。
- 地区の集会などにどうしても参加できない場合などは、行事の責任者に前もって連絡するように心がけましょう。
2.住まい方のマナー・知識(共用部分の使い方)
- 共用スペースは日頃から、汚さない、個人的なモノは長時間置かないなどの心がけが必要です。
- 共用部分に落ちているゴミも、無視せず見つけたら処分しましょう。
- 共用部分では、大きな声でしゃべるなど近所に迷惑にならないようにしましょう。
- 集会所や公園など、地域が共同で使用している場所の清掃などの活動には積極的に参加しましょう。
- ゴミ置き場へゴミを置く場合は、収集日や分別を守ることはもちろんのこと、ゴミ袋から汁やゴミくずが漏れないようにしましょう。
3.コミュニティづくりに配慮した共同住宅の住まい方
コーポラティブハウス
- (コーポラティブ住宅とは?)
- コーポラティブ住宅とは、自ら居住するための住宅を建設しようとする人々が建設組合を結成し、その組合が事業計画をつくり、土地の取得、建物の設計、建設を行い、組合自ら管理していく住宅のことです。
- (効果は?)
- 家づくりを通じて居住者同士、あるいは周辺地域との良好なコミュニティが形成され、困ったときにはお互い助け合い、また、仲間で集い合うなど、楽しい共同生活を営むことができます。
コレクティブハウス
- (コレクティブ住宅とは?)
- 集合住宅において、個人や家族がそれぞれ独立した住戸に居住して自立した生活を行うとともに、食堂、リビング等の共有スペースをもち、そのスペースを居住者が共有で利用・管理する居住形態の住宅です。
- (効果は?)
- 生活の一部を共有することで、入居者同士でふれ合いながら安心して暮らすことができるとともに、日常生活の中で居住者同士の交流を図ることができます。
まちづくりに関する助成
- まちづくりといっても参加者への連絡、会議の運営、計画書のまとめなど様々な経費も必要となります。
- まちづくり活動をお金の面からバックアップするため、県や国、あるいは財団などからの助成金がありますので、よく調べて活用しましょう。
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