掲載開始日:2019年9月13日更新日:2019年9月13日

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無人ヘリによる山林への除草剤散布について

提言

(性別:不明、年齢:不明)

県有林で、試験的に無人ヘリによる除草剤散布をしているそうだが、問題がなければ県の各地で行うのか。そうなれば県の農作物は、全て除草剤の含まれた水により栽培されることとなる。どこまでの範囲で散布を予定しているのか。公表しているなら公表先を教えてほしい。

回答

本県の林業従事者は、平成7年の4,232⼈から平成27年には2,222⼈(⾼齢化率22.7%)に半減するなど、林業の担い⼿不⾜と⾼齢化が深刻化しています。全国有数の林業県である本県にとって、再造林を通じた森林造成は次の世代の県⺠の⽅々のためにも重要な課題です。下刈は、樹⽊の育成に⽋かせない作業でありますが、⼭間部の⾜元が不安定な斜⾯において、暑い時期に⾏われるため、多くの労⼒が掛かり極めて過酷な作業となっています。このため、新規林業従事者が定着できない原因の⼀つともなっており、今後、労働⼈⼝が減少する中で、⼈⼿不⾜により下刈できない箇所の増加が、懸念されているところです。今回の取組は、林業関係者や林業関係団体からの要望などを踏まえ、⾃動航⾏無⼈ヘリと林地除草剤を組み合わせた技術の実証に取り組んだもので、筋刈<注意1>や坪刈<注意2>など下刈⽅法の変更やツリーシェルター<注意3>、成⻑の早い苗⽊<注意4>の活⽤など、下刈省⼒化に向けたさまざまな方法の⼀つとして実施しました。具体的には、昨年11⽉にリモコン操作による林地除草剤の試験散布(0.36ha)と⽔質調査を、また、本年3⽉には農薬成分を除いた模擬材を⽤いて、無⼈ヘリの⾃動航⾏試験をそれぞれ実施しました。⽔質調査では、基準値を上回る農薬成分は検出されませんでしたが、散布装置の改良や準天頂衛星の利⽤による安定⾶⾏技術の確⽴など技術的課題も散⾒されました。今後の取組については、実証事業で予定していた林地除草剤の散布は終了しておりますので、当⾯は散布することはありません。また、あくまで技術の確⽴を目指したものであり、問題がなければ県内各地で林地除草剤を散布するというものでもありません。

林地除草剤の散布に関しては、さまざまな技術的課題の解決が前提となりますが、賛否両論のさまざまな意⾒がありますので、実施を検討する場合には、関係者をはじめ、県⺠の皆さまのさまざまな声に⼗分配慮して、慎重に判断してまいりたいと考えております。

注意>

  1. 筋刈︓
    省⼒的な下刈⽅法の⼀つ、造林⽊の植栽列に沿って帯状に雑草⽊を刈り払う。通常の下刈ではスギ等の造林⽊が健全に成⻑するよう、造林地全⾯の雑草⽊を全て刈り払う。
  2. 坪刈︓
    省⼒的な下刈⽅法の⼀つ、造林⽊の周囲1m四⽅ぐらいのみを刈り払う。
  3. ツリーシェルター︓
    造林⽊にかぶせることで、動物の⾷害の防⽌や樹⽊の成⻑促進に効果が期待される資材。
  4. 成⻑の早い苗⽊︓
    スギ品種の中でも初期成⻑に優れるエリートツリーやセンダン・チャンチンモドキなどの早⽣樹。

お問い合わせ

環境森林部山村・木材振興課企画・特用林産担当

〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号

ファクス:0985-28-1699

メールアドレス:sanson-mokuzai@pref.miyazaki.lg.jp